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[リキッドメタルパター:FA-2


バックフェイス パターフェイスの素材は木、鉄、ニッケル、銅そして複合素材へと進歩を遂げて来たが、今回紹介するのはリキッドメタル、すなわちアモルファス金属のパターである。

 チタン、ジルコニウム、ニッケル、銅、ベリリウムからなる合金で液体と同じ非結晶体(アモルファス)であることが最大の特徴らしい。アモルファス合金のクラブはかなり前から商品化されており、国内でもビッグネームがパターなどを販売していたのだが、アモルファスの加工の難しさ故、パターが10万円もするなど、とてもじゃないが手のでない金属素材だったのである。

フェイス面 右の写真がフェイス面。
このパター、フェイス面は完全な鏡面に仕上がっており、写真を撮るのが恐ろしく困難(笑)。メーカーのカタログもかなり苦労しているんだよなぁ。

 ヘッドの形状はノーネックのアンサータイプで、オデッセイタイプのシャフトがヘッドに直接刺さっている。国内では輸入業者がドライバーなどを扱い、ゴルフ雑誌などで広告を見かけた方も多いであろうが、今年になってリキッドメタルゴルフ・ジャパンという日本法人が国内での販売を開始したのである。今回のパターは、ゴルフフェアで気に入った首領がリキッドメタルゴルフ・ジャパンの森永さんに無理を言って(笑)直接購入させて頂いたものなのである。

ヘッド 下がリキッドメタルのFA-2で、上はコブラからでているボビーグレイスのLO-PRO?。ヘッドの雰囲気がよく似てるでしょ?

 シャフトの曲がり方とヘッドへの入り方が異なるので実際に構えてみるとまったく異質に感じられるのだが、ヘッド自体はよく似てる。

 フェイスにアモルファス合金を使い、チタンの2倍の強度と弾性力(延びる力)によりボールを打ったときのエネルギー損失を最小限に押さえて恐ろしい程の転がりを実現するのがこのFA-2なのである。
 FA-2ってことはFA-1があるのか? そう思われる方もいらっしゃるかもしれないが、実はアメリカで売られていた最初のモデルがFA-1である。こちらはPINGタイプのネックがついたモデルだったのだが、すでに金型が無くなってしまっており、国内の販売はこのFA-2だけになるそうである。

 首領がアメリカでFA-1を見たときの値段はたしか$6−800ぐらいだったと思う。当時、フルハンドメイドのパターが$1000ぐらいだったのでかなり高価なモノであり、試打した感触は凄くよかったのだがとてもじゃないが買える値段ではなかったのである。アモルファス合金の加工技術が進み、歩留まりが改善され今回の国内販売では46000円という価格で買えるようになったのが素晴らしいことである・・前述の大手メーカーのアモルファスパターが10万だからね(笑)。

フェイス面 さて、このパターの最大の特徴は恐ろしいほどの球の伸びである。同じストロークで倍の距離転がる・・というわけではないが、とにかく球の伸びが良い。

 打感は独特のモノで、これまでの金属パターとちょっと異質。堅いことは確かだが(笑)、球を弾くという感じはそれほど出ない。インパクトから球がスーっと滑って行く、という感じなのだが・・文字にするにはちょっと難しいな(笑)。

 暖かくなって来たら実際のグリーンでの転がりをチェックしてみたい。球の伸びが良いと言うことは、高速グリーンで困るのでは・・という友人がいたが(笑)、まあオーガスタならヤばいだろうが、首領の回る国内のコースではそんな無茶なグリーンはないから大丈夫だな ← チャレンジしてみたいけど(笑)

 ゴルフフェアで試打したとき、とにかくその構え易さに驚いたのだが、手元に届いてスペックをチェックしてその理由がわかった。シャフトの長さは34インチで短めである。また、ライ角がかなりアップライトになっており、首領のパターを吊り気味のセットアップでぴたりと座ってくれるのである。WINNグリップの感触も良くて、かなり実戦的ではあるのだが、唯一気に入らないのが重量とバランスが軽めというところ。特にバランスはD0ということで重めのパターを使う首領にはちょっと軽すぎ。さっそく、ソールに鉛を貼って調整した。これでテイクバックがスムーズになり安定感が増したような気がする・・

 私も含めてアマチュアの多くはパットをショートする事が多いように思う。うち切れなくて最後で切れてカップに蹴られたりと「あとひところがりしてくれたら・・」と思う方も多いのではないか? 打ちすぎ、転がり過ぎは困るけど(笑)、球足の伸びるパターを試してみるってのも手ですぜ・・(笑)

首領のお薦め度: あとひところがりが欲しい方へ・・ 92点

(C)ゴルフ虎の穴 首領