[工作君:カウンターバランス] パターをいじってみよう!
2001年度のジャパン・ゴルフフェアの日本シャフトのブースで目に付いたのがパター用の新理論シャフトであるP.P.ADJUSTシャフト。110gのスチールのバット部に52gのアダプターを接着することによりCOOP理論なる新理論の重量バランスになる・・とのこと。うーむ、ようするにカウンターバランスじゃん(笑)。まあ、細かいことについては特許が出ているので気になる人は各自チェックするように(爆)。 アダプターはネジの回りにコイルを巻き付けたようなモノで、振動吸収とかにもなにか効果があるような気もするのだが、装着はエポキシあるいはアクリルの接着剤・・ということで、一番の効果はバランスの変更でしょう、たぶん。パーツの値段としては8千円近く、リシャフトすると1万5千円もかかるのでここは一つ自作してみようと言うのが今回の工作君なのである。 改造に使うパターは写真の2本。 アンサータイプのやつはヒロ・マツモトのショートピンでブラス仕上げのモノをサンドブラスト処理したもの。黒い方はウィルソンのTPAシリーズのVI(6)。トム・リーマンの使っているモデルと似てますがこっちはネックにオフセットが付いているモデル。こちらもフェースはサンドブラスト処理してあり、打感は非常に軟らかくなっている。 さて、パターのカウンターバランスだが、前に何度かパターの調整で紹介したことがあります。人によって好みが違いますが、パターに求められる一番の性能は「ヘッドがスムーズに動く」こと。まあ、グリップの仕方やストロークの仕方の方が大事なんだけどね。パター全体の重量配分と持つ場所によってパターのフィーリングは大きくかわるのだが、その重量配分を変えるためにバット部に木の栓をしてそこにドリルで穴をあけて鉛を埋める・・といった調整を久津間さんからこっそり教わっております、はい。で、今回の工作は家でできるこの簡易版ということになります。 さて、P.P.ADJUSTのアダプタ重量は52gである。 これに近い重量を手軽に埋め込むには・・うーむ、鉛だな。 大きさもそれなりになるからゴルフ用の調整鉛テープではなくて、釣りの錘が最適。 写真は釣りの錘。 左から10号、12号、15号の重さである。釣具屋で重量を聞いたら店の人が困ってました(笑)。重量を聞いて錘を買う釣り師はいないだろうからね。一番右は単三の乾電池。何故これを比較のために並べているのかというと、次の写真をみてもらえば理由はすぐに分かると思います。 これがその写真。 スチールシャフトのバットの内径って、単三電池の大きさとほとんど同じなんだよね。単三電池に十分な重量があれば、そのまま接着剤で止めちゃえばいいんだけどね・・ 注意が必要なのは接着剤を流し込んで完全に密封固定しちゃうことかな(笑)。車のトランクで温められて、密封された空気圧でヘッドが飛ぶ・・なんてことは無いと思うけど(爆)。 さて、それでは今使っているパターに何グラムのカウンターバランスを取り付けるとヘッドの動きがスムーズになるのか? こういうときはとにかく「実験君」あるのみ! 深く考えちゃいけません(笑)。写真のようにグリップエンドに錘を輪ゴムで止めて実際にストロークしてみればいい。「グリップを刺す前にどうやってできあがりのヘッドバランスを計るのですか?」なんて質問が昔あったんだけど、深く考えちゃダメですよ、こんなの。 で、実験君で一番重い15号の錘が適していたので、それをハンマーで叩いてシャフトのバットに挿入できるように加工したのが右の写真。 ちなみに、15号の錘の重量は50gでした。 調整するパターの長さや、ヘッド重量によってカウンターバランスとして入れる錘の重量は変わってくるので十分に実験君を繰り返してください。 なにしろ、家庭の工作だからこの後、エポキシ接着剤で固めちゃうので失敗したといって、簡単に取り出すことはできなくなります(爆)。 あとはこの鉛をバットに挿入してエポキシ接着剤で固めちゃえば終わりです。一度固めちゃうと取り出すのは加熱して接着剤を柔らかくしなきゃならないし、ドリルで削ったりとか必要になるので「成功しますように」ってお祈りしながらやってください(爆)。エポキシ接着剤をたっぷりいれて、シャフトを逆さまにして固まるのを待てばOK。あとは、グリップをさしてやればカウンターバランスのパターが完成です。 出来上がったパターはかなり良い感じに仕上がりました。テークバックでの引き始めに引っかかりがなくなって、スッと引ける。ただし、ヘッドバランスは当然のことながら軽くなるのでヘッドの重さで距離感を出していたのがちょっとボケる感じ。ロングパットの距離感でわずかにパンチを入れる必要がでるかな・・というところです。 首領のお薦め度: 台所での工作でパターが生まれ変わります・・ 78点 |