MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2001/10/26 外貨がポン / 「狂牛病ーイギリスにおける歴史」 

昼休みに近くの東京三菱で外貨購入。自動販売機でボタンを押して円を入れると、指定の外貨紙幣の入ったパッケージがポンと機械から出てくる。円貨のお釣りも、機械から小銭で出てきて、なかなか便利なものである。

窓口で人間に頼むより手間がかからないから、手数料分が安くなってるのであろうか。ま、それにしても、小口のキャッシュを購入するってのは、通常の銀行決済やT/Cに比べて、ずいぶんとレートが悪いよなあ。

外国為替取引が「規制」から「原則自由」に変わった時、外貨販売も自由化されて、コンビニや郵便局でも気軽に外貨が買えるなんて話があったが、結局のところ現実はそうならなかった。いや、一部では行われてるのかもしれないが、外貨売ってるコンビニなんて見たことない。まあ、円と日本語だけで、すべて用が足りる便利な島国ニッポンである。



「狂牛病ーイギリスにおける歴史」(リチャード・レイシー/緑風出版)読了。初版は98年。最近の狂牛病騒ぎであわてて再版したようだ。緑風出版というのは聞いたことなかったが、本の後ろにある広告見ると、食品の危険を扱った本をあれこれ出している。なるほど。

著者のレイシー教授は、イギリスの微生物学者で、狂牛病が人間に感染する危険を、イギリスで狂牛病騒ぎが起こった当初から声高に主張していた有名人物である。

狂牛病に感染した可能性のある牛を、すべて屠殺して焼却処分するべきだと主張したが、イギリス政府の対応は、経済的影響を考えた政治的なもの。対応も後手後手に回り、EU各国から、イギリス産の牛は輸入禁止という処置を受けて、イギリスが大騒ぎになったのは記憶に新しい。

なかなか興味深い本だが、残念なのは原版が古く、1996年くらいまでの出来事しかカバーしていない点。もっとも、現在までの研究でも、狂牛病が新型クロイツフェルト・ジェイコブ病を引き起こしているという確定的な証拠は、まだみつかっていないそうだ。

従来型のCJDは、たいへんマレな病気ではあるが、世界中に発生が分布しており、明らかに狂牛病とは関係がない。あれだけの牛が狂牛病にかかり、感染牛もおそらくは市場に流通したと思われるイギリスでも、せいぜい10数名が新型CJDで亡くなっているだけだ。案外に牛肉が原因とは違うのではないか。まあ、確率的には、牛肉食ってもまったく問題ないような気がするが、食べ物ってのは心理的な影響もあるからなあ。

狂牛病騒ぎが起きた時、当時のイギリス農業大臣は、自分の娘にハンバーガーを食べさせて、イギリス牛肉の安全性をアピールしたらしいが、カイワレ大根食った日本の厚生大臣といい、人間の考えるところは東西問わず一緒ですなあ。

当時のイギリスでは、「嫌がって泣いてる娘にムリヤリ食べさせたのだ」とか、「安全なフランス産のビーフを食わせたらしい」、と噂されたそうだが、人の噂ってのも、東西を問わずこれまた一緒である。ははは。