帰宅してから、「<子>のつく名前の女の子は頭がいい」(金原克範/洋泉社)読了。この著者は、東北のある市の高校合格者の名前に占める、「子」のつく女子の比率と、入試偏差値に相関があると主張している。偏差値が高い高校ほど、「子」のつく名前の比率が高いのである。 その他にも、著者は、少女雑誌の性格と読者の名前、身体計測の結果と名前を分析する。結論をおおざっぱにまとめると、「子」のつかない名前の子供は、「他者に影響されやすく、軽佻浮薄で、頭が悪く、太って、虫歯が多い」ということを述べているわけである。なんか、まあ、「子」のつかない人は怒り出すような結論だ。 「子」のつかない名前が流行り出したのは最近のような気がするが、著者の分析では、8割以上あった「子」がつく名前が激減しているのは、1954年から1964年にかけての10年であるという。この10年は、ちょうどTVに代表される大衆マスメディアが爆発的に普及した時期であり、著者は、このメディアの普及と女子の名前の変遷を結びつけて論じている。 婉曲に書いてる点もあり、著者の結論を簡潔にまとめるのは難しい。しかし、要するに、『「毎日TVにかじりついて、芸能人の名前を子供にマネしてつけたような親」の子供に「子」がつかない名前が多く、デキが悪い』、という事であろうか。 まあ、しかし、イチガイに信じがたい説だ。2つの事象に高い相関があっても、2つの事象が実際に関連しているという証明がなければ、相関関係を証明できたことにならないからなあ。 もっとも、亜沙香、紗理奈、江莉歌などとかいう、芸能人のような派手な名前を持つ女性については、「ああ、親がヤンキーだったんだろうなあ」、「一所懸命引いたこともない辞書引いてつけたんだろうなあ」、「本人もパーだろなあ」という連想が、比較的わきやすいということは言えるかもしれない。<コラコラ。 しかし、自分の名前は自分では決められないのだから、そんなこと言われても本人には迷惑な話ではあるのだが。<だったら言うなよって。 |