本屋で見つけて思わず買ったのは、ハヤカワ文庫に入ってるハインラインの「宇宙の戦士」。まだ売ってるのかという驚きあり。考え込むような話でもないので、昨日の夜一気に読了。学生の時読んで以来だが、案外覚えているもんだ。映画「スターシップ・トゥルーパーズ」の原作でもある。 ハイテク満載のパワード・スーツに身を包んだ機動歩兵が、恒星間戦争で相手を殺戮する。あっけにとられるほど能天気な、愛国心に満ちた暴力満載。あまりにもアナクロ。退役軍人が懐かしむような軍隊礼賛。ハインラインは規則や規律と訓練が大好きだ。暴力こそがもっとも多くの問題を解決してきたという素朴な力への信仰は、ベトナムの泥沼前、ソ連との軍拡競争に突入していった頃の作品という時代背景を無視しては語れないのではあるが。 まあ、そういうお話をも包含するのがSFの懐の深いところと言えばその通り。しかし、素朴な力への信仰は、いまだに現実のアメリカにも生き残っていると感じる昨今でもある。 そういえば、イラクの大量破壊兵器はまだ見つかってないな。いまさら出てきてどうなるというものでもないのだが、最初からそんなもの無かったという結論になってはなんとも後味悪い結末だ。 デヴィッド・レターマンの「Late Show」名物コーナーの Top 10 Listに、「Top Ten President Bush Excuses For Not Finding Weapons of Mass Destruction(イラクで大量破壊兵器が見つからないことに対するブッシュ大統領の10の言い訳)」というのが掲載されている。 ・"We've only looked through 99% of the country"(まだ国土の99%しか探してないんだぞ)辛らつなジョーク揃いであるが、実際に大量破壊兵器が見つからなかったら、冗談でしたとすますわけにもゆかない。いやはや。 |