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2003/10/10 「鮨を極める」新橋鶴八のサイン

昨日の退社は9時。「しみづ」に電話するも、あと20分ちょっとしないと席が空かないというので断念。「新橋鶴八」に電話すると、「どうぞ、お待ちしてます」とのことなので早速出向く。

店に入ると、カウンタ奥に座った年配の男性が親方とあれこれ話している。刈り込んだ白髪。ネクタイは締めてるが、深作欣二をどこか思わせる無頼な雰囲気。話の内容で、「鮨を極める」の著者、早瀬圭一氏であると分かった。この本については以前の日記でも触れたが、早瀬氏は、この店の石丸親方が神保町「鶴八」で小僧をしている時からの客であるという。

「文庫になったら本の題名も替える。サライの特集じゃないんだから」とか、「『あら輝』を本に入れた理由」とか、「本当はどの店が一番好きか」だとか、横で聞く親方との話が興味深かった。

日本酒を冷で飲みながらツマミ。ヒラメ、塩蒸し、ブリ、ハマグリ。親方がカツオを切ってくる。「ここの種札には見かけたことないね」と親方に訊くと、「賄いのオカズにしか買わないんですよ」と笑う。しかし、旨みのあるなかなか上品なカツオである。

握りに移行して、イカ、コハダ、アナゴ、カンピョウ巻。コハダはネットリとした締め具合が素晴らしい。アナゴもいつもながら秀逸。

著者が帰った後で、「鮨を極める」の話を親方としていると、「本にサインしてくれなんてお客さんもいるんですよ」とテレ笑い。思い立って、私も記念にこの店で一冊購入してサインしてもらうことに。「もう1冊買われたんですよね。持って来てもらったら交換しますよ」と親方は気を使うのだが、「まあいいからいいから」と新品にサインしてもらったのが左の写真。これを皮切りに、この本に載ってる親方みんなにサインしてもらう旅に出るか。ま、そんなヒマ無いのだが。ははは。