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忙しいのでしばらく更新お休みと書いたが、この土日は時間あるので、適当に書いたりなどしてるわけであった。 「祈りの海」（グレッグ・イーガン/ハヤカワ文庫）読了。この本に限らず、長編より短編集のほうが読むのに時間がかかるのはどういう訳か。テッド・チャンの「あなたの人生の物語」の帯にこの著者の名前が出てたのを思い出して購入。 「ぼくになることを（Learning to be Me)」。「私」が「私」であることを疑う「私」は本当の「私」か。フィリップ・K・ディックと、子供の頃の根源的な死への畏れを思い起こさせる短編。世界はやがて、自分無しで存在することになる。そんな当然のことを気付いたあの少年の日の恐怖。懐かしいような叙情と共に。南北問題を扱った「イェユーカ」、他惑星に移住した人類の末裔と宗教を描く「祈りの海」どれにも共通するのは、人間存在への明るい肯定だ。ちょうどクラークのような。読み応えのある素晴らしい短編集。 |