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2005/09/08 「赤塚不二夫のおコトバ〜マンガ人生50周年記念出版」 

会社帰りに銀座の「旭屋書店」で購入した、「赤塚不二夫のおコトバ〜マンガ人生50周年記念出版」読了。赤塚不二夫の周りにいた友人・知人・家族が、赤塚不二夫が折々に語った忘れえぬ言葉を思い出して語るというもの。赤塚の人となりを表すエピソード満載だが、軽く読めて実に面白い。
食事にいっておいしくなかった場合、感想を聞かれるといつも「それは、あとで話す」といった。

自宅での宴会で、「ねぇ、ちょっと、ねぇ、デブ、こっちに来い」と編集者を隣に呼ぶ。周りに人がいなくなると、「さっきはゴメンね」と謝る。しかし、料理が運ばれまた賑やかになると、「デブだから全部食え!」と言った。

道で子供達に「あ、赤塚不二夫だ!」と騒がれた時、うつむいて赤くなり「そうだよ…」とつぶやいた。

「あ、今日はタモリの誕生日だ」と気がついて、ダイコンやらネギをあしらった花束を作って新宿アルタに持参して本人宛てに託そうとするが追い払われる。「そうか、オレは落ちぶれたんだ」と奥さんに話す悲しい顔。
行動は無頼だがシャイで繊細。周りに人を集めてはドンチャン騒ぎする金に無頓着な寂しがり屋。アルコール依存と幾多の大病。人を笑わすためにはどんな無茶でもやる破天荒な生活。そんな赤塚不二夫の横顔を彷彿とさせるエピソード満載。「なんでオレだけ谷啓なんだ!」にはひっくり返って笑った。

迷惑をかけられたけれども憎めない人物。周りが愛した赤塚不二夫の性格がよく出ている。とても普通の人生の参考にはなりようもない生活だが、あちこちに含蓄のある金言がちりばめられているのも興味深い。「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」で読んだが、赤塚不二夫は脳出血で倒れ、現在では植物状態と聞く。奇跡的な復活を祈りたい。