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2006/08/27 「日本沈没 第二部」とロング・テイルの売上増大

「日本沈没 第二部」読了。小松左京のベストセラー、「日本沈没」は、そのそも日本が沈没してから、日本民族が世界に離散してどのように生きてゆくかまでを描く構想であったが、あまりに原稿が膨大になり、とりあえず日本が沈没した時点で「第一部完」として終了している。

それから30年を経て、小松左京のオリジナル構想を基に何名かのブレインが集まって、人物設定やストーリーを決定。執筆はSF作家、谷甲州にすべて丸投げで任せたという、一種プロジェクト形式で作成された長編である。

ニューギニアやシベリアに移民した日本民族を襲う過酷な運命。沈没後の制限領域を巡る諸国のかけひき。国土を持たない日本政府と離散した日本民族の関係。日本が開発した地球シミュレータにより予測された地球寒冷化が巻き起こす地球的規模の災害。オリジナル構想にある小松左京テイストはあちこちに感じられる。

ただ、谷甲州がダメとは言わないが、小松左京は偉大なストーリーテラーであったなという感慨が浮かぶのも正直なところ。小説ではなくフィールドノートであるとも称されたが、収集した膨大なデータや知見を基に、細かい場面を繋ぎながら、太い絵筆でグイグイと描線を引いてゆくがごとき豪快な筆致。しかし、小松御大はすでにお年であり、もはや自分では大作を書き下ろす余裕はなかろう。これはこれで成立しているから、まあ、よしとしなければならないか。

また旧作が読みたくなり、「ゴルディアスの結び目」やら、 「果てしなき流れの果てに」などつい発注。本屋に探しに行く気まではしないが、PCで簡単に発注できるとつい買ってロング・テイルの売り上げに貢献。日本の倉庫には残してきてるんだが、今読みたいんだからしかたないよなあ。金額見ると、文庫の値段よりも発送費のほうが高い。もっとまとめて買ったほうが発送費の比率が減って相対的には得である。と思うとつい、余計に他の本も発注。こうしてまた、ロング・テイルの売上増大に更に貢献してしまうのであった。