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1998/02/22 「ヨーロッパの舌はどう変ったか」

さて、一夜明けてみると、相変わらず喉が痛くて、咳が止まらない。最近、週末のたびに風邪を引いてるような気がする。外出の予定は取りやめ。風邪クスリを飲んで、読んでいなかった本を消化。「ヨーロッパの舌はどう変ったか」(講談社選書)読了。

西洋料理と言うと、肉や乳製品がすぐに思い浮かぶが、中世には、確かに、むしろ現代よりも食肉の消費量が多かったらしい。しかし、16世紀から19世紀にかけて気候の寒冷化に伴って、肉の消費量は激減。庶民にも再び肉が手に入るようになったのはごく最近で、19世紀中葉までは、ヨーロッパ各国とも低所得層の栄養状態は決してよくなく、1900年時点の徴兵検査時の平均身長を見ると、イタリアでで164cm、オランダで167cm程度。これが20世紀で躍進して、1980年に、それぞれ174cmと179cmになったらしい。ヨーロッパ人も、昔は小さかったんですなあ。

しかし、今でもアルプス以北と以南では、明らかに南のほうが背丈が小さい。これは食生活と言うより民族的な差のようだ。ヨーロッパを旅行した時の印象は間違ってなかった。そう言えば、特別編を今日完結しようなんて言って、まだ書いてなかったな。ヤブヘビだった。わははは。

食卓のマナーにしても、それぞれに皿が与えられて、ナイフとフォークでそれぞれに食べるようになったのは、18世紀からで、それまでは、食卓の大鍋のスープから自分のスプーンで直接すくって食べてたらしい。ドイツの田舎では、かなり後まで、共同のスプーンを使う習慣も残っていたと言う。食卓に個人のプライベートな領域が入ってくるのは、社会全体の近代化と個人主義の発達と関係があると言う事のようだ。しかし、日本では比較的早くから自分の箸を使って、めいめいに取り分けられた茶碗や皿で食べてたと思うが、全然、個人主義は発達してないねえ。不思議だ。