夕方からはぶらりと散歩がてら駅前に出る。さすがに日中よりは気温が下がったが、もう初夏を思わせる風。湿度があんまりないから快適だが、もう少しすると蒸し暑くなってくるだろう。5年ぶりの日本の夏と言う事になるけど、湿度がなあ。もっともシカゴも夏は結構湿度が高いのだけど。
本屋で新刊をチェックするが、あんまり買いたい本は無し。「本屋の法則」ってのがちょっと面白そうだったので購入。駅ビルの寿司屋でビールを一杯やって、寿司をつまんでからふらふらと帰宅。
「本屋の法則」のオビには「出版社営業マンが語る本の現場のオモテとウラ」なんて書いてある。色々と出版の裏事情なんて書いてあるかと思ったが、本好きなら大抵知ってるような話ばかりで少々期待はずれ。本の流通なんてのも、大手の取り次ぎ業者なんてのが、いったい何をやってるのかとか、再版価格の問題など興味は尽きないが、そこら辺の事はちっとも書いてない。
とはいえ、「年度末になると売れそうもない本が売れる」なんて話はちょっと面白かった。要するに官公庁と取り引きのある本屋だと、3月になると官庁からドット読みもしないような本の注文が入るのだそうだ。ひどい例では、何でもいいからウン十万円分届けとけ、なんて注文もあるらしい。
ご推察の通り、役所は余計な経費ばかり必死になって予算計上しているし、余ったら次の年度の予算が削られてしまうので、年度末になるとカラ出張やら無駄使いをして帳尻を合わせるんですな。本当に日本の役人はモラルの無いクズぞろいだ。そして、自分達は優秀で、日本の進路をリードしてるなんて思っているところがさらにどうしようもない。
実際のところ、本当にキャリアの官僚達がいないと日本はやっていけないのかどうかも、もっと再考するべきですな。フランスなんかは、高級官僚は、逆に日本も及びもつかないほどの超エリートらしいが、アメリカなんかだと、官公庁に行くのは所詮2流の人材だと決まっている。まして役所でキャリアを積んでも、大統領が代れば2000人近い高官の首がすげ替わるのだから、エリート官僚なんてもともといない訳だが、ちゃんと国は動いてるもんなあ。
まあ、日本がきちんと運営されていれば許してやってもいいが、昨今の金融破綻なんぞは、毎日ノーパンしゃぶしゃぶにウツツを抜かして、まったくの無為無策だった大蔵の連中の責任が重大だと思うけどなあ。余計な規則や規制をせっせと自分達で作っては権勢を誇って、権限だけは行使するが、決して責任は取らない。のんきに天下りする暇があったら、先輩の後始末にでも汗を流さんかい。責任者出てこ〜い! <ま、本当に出てきても困るけどさあ。
そうそう、もうひとつだけ、この本にはいい事が書いてあって、それは「欲しい本は見つけたら、その場で買え」と言う事だ。日本で一日に出版される書籍はざっと200点。本屋は、取り次ぎ業者に6ヶ月の間なら返品が効くが、次々に新刊が入荷してくる事を考えると、いつ売れるか分からない本にいつまでもスペースを与えておく訳には行かない。たった数日の売り上げで見切りをつけて返品してしまう本も山ほどあるらしい。
確かに、私も新刊が出た時に、ま、そのうち買おうと思って、気づいた時にはどこの本屋にも無かったなんて経験がある。やはり、見つけた時にその場で買わないとね。しかし、あわてて買って大ハズレの時もあるんだなあ、これが。