MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

1998/04/17 「天才伝説 横山やすし」

ちょっと前に、横山プリンの事を書いた時に、「天才伝説 横山やすし」(小林信彦著)の事を読者の方からのメールで教えていただいたので、数日前に購入。ようやく今朝の会社へのバスの中で読みはじめる。これは週刊文春にも以前連載されていたので、すでに読んだ部分も多かったが、 などと興味深い事が書いてある。なるほどねえ。

何度もあったやすしの謹慎時代に、西川きよしはじっと耐えていたと言う美談が伝えられているが、実際は、やすしが最初の事件を起こした直後に、きよしはコンビ解消を吉本に申し入れ(実際はお前がコンビ替えなど10年早いとドヤされたらしいが)聞き知ったやすしは、自分を裏切ろうとした相棒をずっと根に持っていた、など生々しい話も多い。

その他にも印象に残った事をあげると、

これは、ちょっと意外だった。私は関西にいた時に、やすきよの全盛時代を見ているだけに思い入れは深いが、ビートたけしが全盛の頃は、横山やすしはもう過去の人と言う印象だったもんなあ。それがたった3歳違いとは。人気商売の残酷な一面だ。

複雑な家庭環境に育って、誰よりも負けず嫌いで、自らのしゃべくりの才能だけを頼りに頂点に上り詰め、しかし、その破天荒な性格と世渡りのヘタさゆえに、みずからトラブルを招き込むように生き急ぎ、そして嵐のように破滅していった男。

もしも、お笑いの世界にも神様がいるなら、その神様は、横山やすしを誰よりも寵愛しそして使い尽くして、残酷にも風のように去っていった。横山やすしは、やはりある種の天才だったのだろう。