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1998/08/09 「ワインと風土」

昨日はちょっと夜更かししたので、一度起きてからまた2度寝。結局昼過ぎまで寝てしまった。昼食の後、車で駅前まで出て、本屋をブラブラ。ロジェ・ディオン・福田育弘訳「ワインと風土」(人文書院)、原田武「異端カタリ派と転生」(人文書院)、E&F-B.ユイグ/藤野邦夫訳「スパイスが変えた世界史〜コショウ・アジア・海をめぐる物語〜」(新評論)3冊購入。

「異端カタリ派〜」は、昨日、「薔薇の名前」を見ていて、ちょっとキリスト教の異端思想について知りたくなった為。以前読んだ「レンヌ・ル・シャトーの謎」なんかでも、キリストの聖杯伝説とのからみ見かけた名前だ。中世の異端審問などの実態についても、結構興味があるので、平易な解説書を探しているのだが、新刊書店では、あんまり扱った本を見た事が無い。と言って、専門書店を探すほどの事でもないんだけど。



今日は道路も混んでる気配だし、あんまり出かける気にもなれないので、部屋に戻ってグウタラと読書で過ごす。「ワインと風土」はなかなか面白い。中東では昔から栽培されていたぶどうの木が、ギリシャを経て、シーザーのガリア遠征を機会にヨーロッパ本土へ伝わっていった経緯などを興味深く読む。

やせた土地では、ぶどうの繁殖力が減じる為、果実の質が高まり、アルコール度の高い上質のぶどうが生まれる。反面、穀物も収穫できるような栄養分に富んだ土地では、質の低いぶどうが大量生産できる。

伝統的に上質の(つまり穀物生産には適さない痩せた)畑を独占して、ごく少量の高級ワインを生産していたのは、貴族や富裕なワイン生産者で、彼らは、値崩れと質の低下を嫌って、穀物畑をぶどう畑に変えて大量生産し、所得を上げようとする貧しい庶民に様々な規制を課してきた歴史があるらしい。

なんとなく常識の縮図としては、豊かな畑で品質のいいぶどうの生産を独占する富裕層に対して、持たざるものは、痩せた土地で細々と低品質のぶどうを生産していたような気がするが、ぶどうの特質から言って、これは逆なんだそうだ。なんでも専門家に聞かないと分からんもんだなあ。