今朝はのんびり起きて、SkyPerfecTVで49ers・セインツ戦の中継を見る。序盤は、相変わらずナイナーズのDBが、相手WRに抜き去られて、アタアタと後ろを走ってゆく、もはや見なれた風景を苦々しく観戦。セインツの長いパスが次々決まる。セインツのQB、コリンズってのは、あまり知らなかったが、なかなかパスが正確だ。試合はバタバタして、インターセプトやファンブルも多発して、めまぐるしく攻守が変わる。まるでラグビーの試合を見ているようだ。
0−10の暗いスタートだったが、前半終了時には、14−13となんとか逆転。後半になると、さすがに地力に勝るナイナーズが突き放して、第4Q開始草々に、31−13までなったところで、試合は決まった。しかし、相手がセインツだったから勝てたようなものの、強いチーム相手では、前半にもっと離されて、へたをすると敗北する試合だったなあ。
マートン・ハンクスは怪我が回復してきたのか、この試合ではなかなかいい活躍をして、久しぶりに相手のパスをインターセプト。独特のピーコック・ダンスを披露したのがちょっとは明るい材料か。しかし、いつ見ても、あの踊りは、実にオリジナリティあるよなあ。まあ、勝つには勝ったが、パスディフェンスがあの調子では、どうも今後が暗い。
あちこちと拾い読みしながら、「インタビューズ(II)」読了。しかし、つい最近でた本なのに、第一巻のほうが、どこの本屋を探しても置いてないのは、不思議な話だ。
欧米のジャーナリストには、インタビューを専業とする人が結構いて、例えば、スタッズ・ターケルのインタビュー集は有名だけど、ボブ・グリーンのコラムにも、どちらかというとインタビューに近いものに名作が多い。
で、この「インタビューズ」の中でも、実にさまざまな人が著名人にインタビューをしてるのだが、インタビューされる有名人と同時にインタビュアーの履歴も書いてあるところがなかなか面白い。で、この中でも秀逸だったのが、サミー・デイビス・ジュニアのインタビュー。インタビュアーは、オリアナ・ファラーチという女性ジャーナリストだ。
彼女の質問はきわめて挑発的で、彼女自身も、「私は、喧嘩腰になって怒鳴ったりわめいたりする」と述べているが、サミー・デイビス・ジュニアとのインタビューでも、「黒人で有名人である事」、「ユダヤ教に改宗した理由」、「なぜ奥さんが白人なのか」、などなどの聞きづらい事について、歯に絹着せない質問を連発する。
サミー・デイビス・ジュニアも内心は怒り心頭だったに違いないが、冷静になろうと努めている彼の回答から、アメリカのショービジネスの世界で、黒人でありながらスターになると言う事が、どんなに大変な事であるか、彼がいかなる辛酸を舐めて成りあがってきたかが、逆に浮き彫りにされてゆく。その過程が、とても興味深い。サミーは概略、こんな風に語っている。
「僕が入ってきたドアは、僕だけの力で開けたんではない。幾多の黒人の先輩達が、後に続く者の為に、少しづつ、少しづつ開けてきてくれたんだ。だから僕も、自分が開けたドアを、後に来る黒人の為に、少しずつ大きく開けておくように努めてきた。そして、いつかは、すべてのドアが、誰にでも開かれるようにしなければ」
インタビュアーのファラーチは、そもそもはイタリア人だが、国際ジャーナリストとして、各国の大物政治家とのインタビューを数々こなしている。キッシンジャー、アラファト、ワレサ、ガンディー、カダフィ、パーレヴィ国王、アヤトラ・ホメイニ。そのインタビューは「歴史とのインタビュー」と題されて本になっているらしい。確かに、これだけ会えば、歴史と会ったといっても過言ではないかもしれない。
イランのホメイニ師にインタビューした時には、ホメイニの侮蔑的な言葉に怒った彼女が、チャドル(イスラム圏で女性がかぶるベールで、おそらく、それを着用しなければホメイニはインタビューに応じなかったのに違いない)を脱ぎ捨ててしまい、ホメイニが逆ギレして、部屋から出ていってしまったんだそうだ。
しかし、ホメイニを激怒させるとは、大変な度胸だなあ。アヤトラ・ホメイニは、イスラムの開祖ムハンマドやアッラーに関する記述がイスラムに関する冒涜であるとして、「悪魔の詩」の作者、サルマン・ラシュディの国際的暗殺指令を出したオッサンなんだから。
まあ、しかし、考えて見ると、こういう腰を据えた女の度胸ってものは、なかなか男には真似できるもんではない。きっと、男達は、自分達で暗黙のうちに築き上げた無意味なルールに、自らが、無意識のうちにからめとられているんだろう。
そういえば、つい最近のクリントン大統領との公開討論でも、みんなまるで無かったかのように、礼儀正しく(?)質問しなかった不倫問題を、「ガツンと」 聞いたのは、大阪の主婦だった。