MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

1999/01/21 「ケネディ暗殺」
帰り道の電車で「ケネディ暗殺」(ロバート・D・モロー/原書房)読了。このモローってオッチャンは、元CIAの契約工作員(自称)で、キューバ関係工作を中心に色々な秘密工作に携わり、ケネディ暗殺の真相をも知っているのだという。自らが消されないために全ての真相を暴露したとのフレコミの本。もっとも初版は96年だけど、そんなに売れたような感じはしない。

まあ、しかし、本人の告白を読むと、デビッド・フェリー(JFK暗殺への関与が疑われたパイロットだが、ジム・ギャリソンの捜査中に不審な死をとげた)と自家用飛行機で厳戒下のキューバに潜入して、戦闘機が迎撃してくる中を命からがら逃げ回り、決死の急旋回についてこれずに相手戦闘機は山にぶつかり爆発したとか、キューバ・ペソの密造を自宅地下室で請負ってキューバ経済に大打撃を与えたとか、行く先々で出会った美女が、「今夜あなたの部屋に行っていい〜」としなだれかかってくるとか、なんか、「お前はジェームス・ボンドかい!」と突っ込みたくなるようなヨタ話ばかりに聞こえるんだなあ。

彼の思い出話以外にこれといって、彼の秘密工作を裏付ける客観的な証拠が提示されてないのも、この本の信憑性に欠けるところだ。彼とJFK暗殺との接点は、デビッド・フェリーの為に、マンリカ・カルカーノライフルを3丁と、特殊な無線機を手配してやったことがある。ただ、それだけ。それが暗殺に使われたかどうかははっきりした証拠なし。

もっとも、カルカーノライフルは、確かに射撃が行われたとされるテキサス教科書ビルから一丁見つかっている。しかし、これは、照準も不正確で、連射が難しいイタリア製の粗悪なライフルで、ダル・テックスやグラッシー・ノールにいたとされる隠された狙撃者が使ったとは到底思えない。まあ、読んだ感想としては、到底信じられないというところ。おそらくJFK暗殺の真相は、永久に明らかになる事はないだろう。