昨日は早めに日記をアップした後、「警察がひた隠す電子検問システムを暴く」を読了。車を運転している人なら誰でも思い出すと思うが、都内の主要幹線道路や高速道路などのあちこちに、自動速度取り締まり機(オービス)とはまた違うカメラシステムが取りつけられている場所がある。
あれは、「自動車ナンバー読み取り装置」すなわち「Nシステム」と呼ばれる警察のシステムで、道路をまたぐアーチに設置された赤外線カメラが下を通る自動車のナンバーを読み取り、コンピュータに自動的に記録しているらしい。
警察の公式の説明では、自動車窃盗があった場合の追跡などに使うとされているが、Nシステムの配備が進んでも、自動車窃盗の検挙率はまったく上がっていない。設置状況から見ると、成田空港、米軍基地、創価学会、オウム施設等の周辺に設置されている場合が多く、著者によれば、明らかに公安警察が、このような施設付近の動向を探るために設置しているのだという。
犯罪捜査の面でも、94年の筑波医師妻子殺人事件の際、このNシステムによって、医師の車が横浜に未明に行っている事が明らかになり、自供に追い込んだのは有名だが、これからすると、すべての道路でNシステムによって捕捉された車のナンバーは、警察によって保存されていることがわかる。
そもそもオービス(自動速度取締り装置)にしても、アメリカ生まれのシステムだが、本国アメリカではまったく普及していない。これは、設置当初から、公権力によるプライバシー・肖像権の侵害であるとの大きな批判を呼び、運動家により、カメラがライフルで次々に壊されるなどの抗議行動が激しくなったために、警察は実用化を諦めてしまったという経緯があるらしい。
そういう面では、使用用途のはっきりしない一基一億円もするシステムが公道に次々と警察によって設置されても何の批判も起こらない日本という国も、実に平和だといえるかもしれない。 Webで調べると、Nシステム大日本監視網というサイトがあって、日本地図とともに、全国のどこにこのNシステムが設置されているかが紹介されている。自分の家の近くのどこに「Nシステム」が設置されているかを試みに調べてみるのも一興。 |