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1999/05/27 「100人の20世紀」と野口英世

昨日の夜は「100人の20世紀(上)」(朝日新聞社)を読了。さまざまな面で激動の20世紀を代表する人物に焦点をあててその伝記を紹介する朝日新聞の日曜版連載が本になったもの。

ユーリ・ガガーリン、アインシュタイン、アドルフ・ヒトラー、湯川秀樹、ブルース・リー、ケマル・パシャなど今回本になったのは上巻として50人。新聞の連載らしく、ひとりひとりの伝記や逸話が簡潔にまとめられており、簡単に読めるところがいい。

個人的には、1972年、ソ連が30年間も独占してきたチェス世界チャンピオンの座を奪い取ったアメリカ人、ボビー・フィッシャーの変人ぶりなんかが気に入った。やはりチェスの天才ってのは普通の人間とちょっと違う。

他にも、マクドナルドハンバーガーの発祥地はシカゴだと思っていたが、実際には、ロサンゼルス近郊にあったマクドナルド兄弟経営のドライブインが始まりで、そのチェイン化の権利を1960年に270万ドルで買って、年商4兆円のビジネスに育てたのがレイ・クロックという人物だ、というのも始めて知った。

野口英世がアフリカで黄熱病のために亡くなった時には、所属していたロックフェラー医学研究所が尽力して、ハンダで密封した金属製の棺で遺体をニューヨークに運び、ロックフェラー2世が弔事を読んで葬儀を営んだ後、墓地も研究所が購入してその業績を称えた話など、他にも色々面白い逸話が多くて、読んでて飽きない。

それにしても、貧しい家に生まれ、今世紀の初めに、たったひとり徒手空拳でアメリカに渡り、世界有数の細菌学者となって、ノーベル賞候補に3度もあげられたなんて、野口英世というのは、生きた時代を考えれば実に偉大な人物だったんだなあ。小学校の時に読んだ偉人伝では、子供の頃にイロリに落ちて、やけどで手の指がくっついてしまい、みんなにいじめられた、なんてところしか覚えてなかったけど。<もっと肝心なところを覚えとけって。