昨日は、ナベツネの本のことを書いてたら、力が入りすぎて(←そんなに力入れんでええっちゅうの)、書き忘れたが、昨日の午後は、品川インターシティで開催中の「ポンペイ展」に行ったのだった。
ポンペイは、西暦79年、ちょうどローマ帝国ネロ皇帝の時代に、火山の噴火で一瞬にして壊滅してしまった南イタリアの都市遺跡。当時の部屋や通りを再現するなど、展示が、なかなか凝っていて面白い。
当時の居酒屋の復元なんてのもある。赤ワインが入ってたであろう甕と質素なカウンター。当時は、つまみは何食べてたんだろうか。ワインは低温殺菌してないから、腐りやすかっただろうなあ。1900年の時を超えても、居酒屋というと、なんだか妙に懐かしい気がするぞ。パネルを見ると、当時の物価で、上質な赤ワインが1升200円とある。だとすると、古代ローマは酒飲み天国である。銀の器が数万円、奴隷ひとりが50万円ちょいだったのだとか。こういうのは、やはり換算レートの設定が難しいなあ。
灰に埋まった遺体、そこにできた空洞に、石灰やプラスティック樹脂を流し込んでとった有名な像が展示されているのだが、扉に繋がれたままで死んだ犬や、宝石袋を手にしたままの痛ましい遺体なんてのもある。火山が中腹から噴火すると、ほとんど逃げる暇はなかっただろう。1900年を超えて、現代に蘇った死の瞬間の不思議。
キリスト教の影響がまだなく、ギリシャ伝来の神々がポピュラーだった時代の文化が、火山の噴火と町の崩壊によって、後代の影響をうけずにそのまま保存されているのも興味深い。会場は土曜なのにガラガラに空いているのが快適である。外に出ると、品川駅前は大規模な再開発工事の最中だった。また高層ビルが建つのかね。 |