MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2000/08/22 中途採用の履歴書を見る


午後になって、部長に会議室に呼ばれる。なにかと思ったら、何通か履歴書を出して、うちの課で採用したい人物がいるかどうか聞かれる。うちの会社は、最近、景気がちょっとは回復したので、30名ばかり中途採用しようと先日広告を打った。営業だけでなく、ついでに財務部門も人材募集をしたのだが、結構、募集があったので、その中から、経理で採用してもいい人材がいたら検討したらどうかと、履歴書が回ってきたらしい。

20代後半から30代後半まで数名の履歴書を点検したが、なんかこう、不遇をかこっているがゆえに転職しようという気配が濃厚な人ばかりで、ピンとくるものがない。やはりまだ、日本には、優秀な人材から次々にジョブ・ホッピングしてゆくような風土がない。

そのうち、30代後半の男性は、某有名私立大学卒、有名会社に就職して、数年のアメリカ駐在経験あり、アメリカ公認会計士取得、TOEIC800点代などと書いてある。これだけ見るとなかなか凄いのだが、職歴を見ると、そろそろ40に手が届こうとしてるのに、まだヒラで、ここ数年はロクな仕事をさせてもらっていないようだ。

明らかに社内で冷や飯を食わされている気配。頭はいいし、勉強熱心だけど、会社に受け入れられなかったのか。もっとも、千里の馬は常におれど、伯楽は常にはおらず。会社の環境になじまないだけで、また別の会社では生き返ってバリバリやるなんてこともあるのだろうが、うちの課だって、別に今どうしても人が必要なわけではないので、採用まで踏み切る気にはならんなあ。

よくよく履歴書を見返すと、経歴のところは、大学卒業年次と今の会社への入社の2行書いてあるだけ。その他の項目も、一言二言しか書いてない。転職のために提出するのなら、他になんかお愛想で書くことあるだろうって感じだが、やっぱり変人の香りがする。

そもそも、有名な会社にいて、資格もあるのに、わざわざ転職しようと考えるってのも、相当のとんでもない奴に違いないということで、部長と意見の一致をみた。この人はボツ。ま、別にうちの部門で募集してるわけではないからとはいえ、その程度の印象で決まってしまうってのも、気の毒な気もするけどねえ。

その他も検討したが、履歴書や職歴書だけで判断するのも難しい。アメリカにいる時は、ローカルスタッフの採用で、何十通もレジュメを見たが、全般に日本人はおとなしいというか、自己アピールがヘタな気がする。

アメリカ人の場合は反対で、あれもできる、これもできるとさんざん書いてたのに、実際やらせてみると何もできないサギみたいなのがいるわけである。ま、そういうのにひっかかって採用するほうもお粗末なんだけど。