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2000/08/28 PRIDE.10をPPVで見た

毎度おなじみ、ペイ・パー・ビューでPRIDEを見たら、料金のモトを取るために書く、PRIDE観戦日記である。

第一試合 松井大二郎×ビクトー・ベウフォート

ベウフォートはブラジリアン柔術出身だが、グラウンドで松井のバックを取ると、的確なパンチで松井をボコボコに。松井は鼻から大流血。2R目もスルスルとベウフォートがいいポジション取り、あとは松井をイタブリながらかわして余裕の判定勝ち。やはり体格差と筋肉の差があるとなかなか難しい。

第二試合 ガイ・メッツァー×ヴァンダレイ・シウバ

メッツァーは伊達男の元パンクラスチャンピオンだが、いつも試合はモチャモチャして、スッキリした勝ちがない。しかし、さすがにキックボクシング出身だけあって、爬虫類最強の男、シウバとの対戦では、スタンディングでの激しい打撃戦。こんなメッツァーは初めて見た。しかし、シウバの右ストレートがヒットして、フラフラになったメッツァーにシウバが次々パンチを繰り出し、最後はほとんどスリープ・ノックダウン。こんなメタメタにやられたメッツァー見たのも初めて。爬虫類強し。

第三試合 ジャイアント落合×リコ・ロドリゲス

ジャイアント落合ってのは、元プロ野球三冠王、落合の甥なんだそうだ。アマ柔道ではそこそこ実績あったという話だが、派手なアフロヘア、プヨプヨとたるみきった体で、まったくイロモノの扱い。怪我するなよと心配になる。あんまり打撃のない柔道系のロドリゲスと当てたのは主催者の配慮だろう。しかし、さすが落合一族の血か、人を食った冷静さで、攻められながらもノラクラとなかなか善戦。もっとも、アブダビ・コンバット優勝のロドリゲスにかなうはずもなし。一瞬のクビ締めで落合はギブアップ。

第四試合 ギバート・アイブル×ゲーリー・グッドリッジ

背格好がよく似たドツキ屋同士の戦いかと思ったら、試合開始早々、アイブルがフェイントから左ハイキックをグッドリッジの右側頭部に叩きこむ。グッドリッジはこのキック1発で失神。最初は何が起こったか分からないほどの、凄まじいキック一閃。

第五試合 マーク・ケアー×ボリショフ・イゴリ

イゴリはサンボ世界王者。マーク・ケアーは、藤田にいいところなく破れた前回の雪辱を期しての一戦。しかし、試合早々、ウマ乗りになったケアーがイゴリの頭を抱え込んでネックロック。ちょうど、コールマンに相撲の太刀光がアッケナクやられたのと同じ技だが、イゴリはたまらずギブアップ。サンボにはああいう技は無いのだそうだが、それにしてもチョット恥ずかしい負けっぷりであった。イゴリは我慢しすぎたか、立ちあがることもできず、タンカで運ばれる騒ぎに。PRIDE8のリングに登場して、自分の立ち上げた団体を宣伝していた元タイガーマスク佐山聡が、「うちには現役のサンボ世界王者もいます」と見栄を切ってたのだが、肝心のサンボ王者がこれではなあ。

第六試合 エンセン井上×イゴール・ボブチャンチン

エンセンの善戦は、いつも最初の10数秒。ガードポジションでボブチャンチンに馬乗りになられたあとは、なすがままに、ボコボコと殴られてゆく。この道は〜いつか来た道〜♪。1R終了後、殴られすぎたエンセンはコーナーから立ちあがることができず、レフェリーストップ。岩石パンチ、ボブチャンチンは実に強い。殴られて変形したエンセンの顔は、妖怪人間ベムのオヤジのようであった。

第七試合 佐竹雅昭×村上一成

小川直哉をセコンドにUFOから村上参戦。PRIDE3戦目の佐竹はなかなか落ちついている。ジャイアンツ清原と一緒に鍛えたはずの体がプヨプヨしているのはチト不思議だが。もみ合いの後、たまたま村上の足がすべったように見えたが、佐竹がフルマウントポジションを獲得。そこから村上を殴り続けてレフェリーストップ。あのパンチは、それほど効いているようには見えなかったが、考えて見れば佐竹は空手家である。試合後の村上の顔がエラク腫れ上がっていたのも納得。ただ、その後で小川がリングに駆け上がってきたのは、裏で猪木の生臭い仕掛けを見るようで興ざめだ。

第八試合 藤田和之×ケン・シャムロック

藤田には、マンモスの毛皮とコン棒が似合う。そういう体型である。ジムワークとプロテインで鍛え上げたなというシャムロックとは好対照。ジャムロックは老練で、藤田はマウスピースを吐き出すほどのパンチを食らい、その後もガツンガツンといいパンチを貰う。立ってるのが不思議なくらいだったが、馬力は衰えず、しゃにむに突進して何度もドスコイ・タックルとヒザ蹴りをかます。何が効いたかは分からないが、1R途中で、シャムロックが突然の棄権。ちょっと不可解な幕ギレ。藤田もシャムロックに聞きにいってたくらいである。これも猪木イズムか。もっとも、シャムロックにすると、いくらパンチ食らわしても突進してくる藤田に嫌気がさして、「クロマニヨンの末裔である俺が、あんなネアンデルタールに勝てるか!」、とキレた可能性もある。

第九試合 石澤常光(ケンド−・カシン)×ハイアン・グレイシー

グレイシー一族最強の喧嘩屋、ハイアン・グレイシーと新日本プロレスから参戦の石澤。開始直後にコーナーで膠着したが、離れぎわにハイアンがいきなり嵐のようなピストン・パンチ。石澤が何発もパンチ貰って意識が途切れ、腰が落ちたところでレフェリーストップ。スローモーションで見ると、この狂犬のようなパンチをふるってた時のハイアンの目が異様に輝いて怖かった。ストリート・ファイト無敗というのもうなずける強さ。桜庭と今度はやってもらいたいな。

第十試合 桜庭和志×ヘンゾ・グレイシ−

ホイラー、ホイスと桜庭流の試合を見てくると、桜庭がグレイシー一族の中量級に負ける気がしなくなってくるのが不思議。第1ラウンドは、お互いに様子見で、ちょっと膠着した試合。しかし、2R、桜庭がヘンゾの腕を取り、もみ合いからアームロックでヘンゾの左腕を極める。タップはしてないが、レフェリーがストップした後、桜庭が心配そうにヘンゾのヒジを触ろうとしてたことからすると、かなりイヤな感触があったようだ。ヒジが外れたか。しかし、「負けた言い訳はひとつだけ。彼は今日、私より強かった」 と試合後述べたヘンゾは、グレイシー一族にしては、なかなか爽やかであった。

ということで、はい終わり。