日曜の午後はぶらりと上野に出て、西洋美術館で「死の舞踏」展。ヨーロッパ中世から近世にかけて、描き続けられた、「死」が人々を誘うさまざまな壁画や版画。 中世の人々は、「死」を象徴的に骸骨として描いた。教皇にも国王にも、富める者にも貧者にも、老人にも若者にも、キリスト教徒にも異教徒にも、時が来れば「死」は訪れ、時には甘美に、あるいは嫌がるものにムリヤリ纏い付いて、生者を死の世界に連れ去って行く。 現世の富も権威も、「死」の前には無力であり、いつかは誰しも、元の塵芥へと戻ってゆく。キリスト教の信仰によってのみ、「死の恐怖」からの脱却ができることを知らせるために描かれたであろう絵の数々。メメント・モリ(Memento mori−死を思え)というやつですなあ。イスラエルの荒野に生れたキリスト教の信仰が、ローマを経て、いかに深くヨーロッパ中世に根づいたかを思い知らされるような展示の数々だ。 特別展を見終わって、常設の松方コレクションをブラブラと。こちらの静物画や風景画にも、思わぬところにドクロが隠されている。いたるところにまとわりつく中世ヨーロッパの「死」のイメージ。 「悔い改めよ。神の国は近づいた」と、ナザレ人ヨシュアが声高らかに宣言してから、そろそろ2000年経とうとしてるのだが、まだ神の国は来ない。ま、いくらなんでも弥勒菩薩よりは早く来るものと思われるのだが。どんなもんだろうか。 文庫本で出た、「呪縛〜金融腐食列島2 」を寝しなに読んでたら、ついつい上巻の最後まで読み進めてしまい、就寝は2時。第一勧業銀行の総会屋事件に題材を取っただけあって、なかなか迫真の出来であるが、ドラマとしては前作のほうが面白かった。 ともあれ、日曜の夜に2時まで起きてたらあきませんなあ。本日はどうも寝不足で起床。いよいよ年の瀬だ。 |