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2000/12/14 講釈オヤジの店で / 結局はブッシュ勝利 


昨日の夜は、上司と一緒に某社の部課長と、会社近くの日本料理屋で忘年会。店の奥のわりと広い座敷にゆったり6人。ここの店の料理はたいへん結構なのだが、店の親父が講釈好きで、料理を出すたびに座敷に現れてなにやかやと説明をする。

最初に刺身の大皿が出ると、「この寒ブリは日本海産です。背ではなくて腹側なんで、最高に脂が乗ってます」「ウニは最高級の赤で、寿司屋でもこんな上物を使ってるところは珍しいのです。粒がしっかりしてるのは薬品を使ってますから、本当はとろけてるのが上物の印なんですよ」(しかし、回転寿司のウニだってとろけてるのだが、あれは上物か?)などとうるさく力説。

「このスズキは三浦半島。東京湾のスズキも、最近は脂臭いなんてことは無くなりましたが、どんなに上物でもキロ1000円しません。うちが入れてるのは、キロ7000円。身の緻密さと香りが違うんです」

カレイの塩焼きが出ると、「これは若狭カレイ。福井から運んで来てるのですが、東京の料理屋で福井のカレイ入れてるところは、ほとんどないですよ」ということである。

小鯛の姿揚げが出ると、「この鯛は近海物です。残念ながら明石ではないですが、明石の鯛は東京の市場には出ません。披露宴で折に詰めてお土産になってる鯛の塩焼きね。あれなんて全部ニュージーランドから輸入している冷凍物です」、などと、なかなか興味深いウンチクもある。しかし、実に説明に忙しいことである。

ヒレ酒を飲みつつ、むこうの部長のご高説なんぞを拝聴。食後に柿が出た。この柿にも講釈があるかと、冷やかしで親父を読んで聞いてみると、「この柿は奈良から来ました」

なるほど、「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」ですな。と言うことで全員妙な納得。ま、奈良が柿の本場かどうかは知らんけど。ははは。

会食が終了して、接待相手3名をタクシーに放り込んだ後、副部長と2次会。こんどの人事異動の話などしつつ、シングル・モルトのオンザロックスをダブルで2杯。しかし、ちゃんと電車で帰宅。

FOXニュースをチェックすると、連邦最高裁の決定を受けて、アメリカ大統領選の勝者は、ブッシュで決定。全米の得票合計では30万票以上ゴアが上回っていたのだが、大統領選挙人制度の下では何の意味もない。一般投票で2位の候補が当選する逆転現象は1888年以来、112年ぶりなのだそうである。

それにしても、ゴアも、プログレッシヴな大都会を抱える州では、ほとんど勝利したのだが、人口の少ない南部や西部の田舎の州を軒並み落としたのが響いた。トラクターで道走ってるような田舎のジイサマは、たいてい共和党支持である。

そうそう、ゴアは、故郷のテネシーでも敗北したのだが、あそこの選挙人は11人。テネシーさえ取ってれば、フロリダを落としても、ゆうゆうと当選してたのだがなあ。まあ、敗北の後で「タラ・レバ」を言っても詮無いことであるが。