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2001/01/20  「誤解していました、商品先物取引」 

昨日の朝は会議の準備でちょっと早く出社。朝一番に専務から御下問があり、数字作成にあたふたしたが、とりあえず大事にならずにすんだ。昼休みに日経を見ていると、「誤解していました、商品先物取引」という大きな広告が出ている。

17日の日記に書いた商品先物取引であるが、週刊朝日の記事が気になったのか、日本商品先物振興協会というところが、商品先物のイメージアップを狙って出したようだ。しかし、内容がヒドイ。

「商品先物取引は、半年、1年先の原材料・商品の価格変動をヘッジし、生産者や流通業者の損失の回避と経営安定に寄与しています」、と説明が書いてある。その横に「イメージと違うなあ」とコピーがあるのだが、この説明自体は、17日に書いたように別に間違いではない。

しかし、本来、新聞で一般投資家に伝えなくてはならないのは、「その商品の生産者や流通者ではない一般投資家が先物取引をやっても、まったくヘッジの効果は無く、単なる投機取引ですよ」ということであるはずだ。有用性の一面だけを述べて、都合の悪い説明はしていない。それだったら、協会も先物業者の一般投資家勧誘を禁止して、その商品を商売として扱っている業者だけでやればよろしい。

もっとも、よくよく読むと、下のほうに小さな字でこういうことが書いてある。

商品先物取引は、元本が保証されているものではなく、短期間で大きな利益を得る可能性もありますが、相場の変動により損失が生じることもあります。
そもそも「元本保証ではない」ということを小さく書くというのも汚い態度である。「利益」のほうには「大きな」をつけて、「損失」のほうには「大きな」をつけてないというのも、浅はかでたいへんに卑怯なレトリックだ。そもそも先物取引業者の協会の広告がこの程度なんだから、ウソ八百並べて素人をだますロクデナシ業者が絶えないのも道理だということだなあ。