MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2001/03/15 あなたは自分のために、刻んだ像を作ってはならない。

昨日から東京も急に暖かくなった。体調はなんとか回復したような模様。しかし、昨日は深夜に電話してたせいか、なんだか眠い。

今朝の日経には、アフガニスタンのイスラム原理主義者勢力「タリバン」がバーミヤンの仏教遺跡の破壊を終了したとの囲み記事。それにしても、無茶な事をやるもんである。もっとも、TVで資料映像を見たら気づくように、あそこの石窟にある大仏の顔面は前からすでに無残にも削り取られている。

中東やシルクロード周辺で、イスラム教徒はずっと昔から偶像崇拝禁止のために遺跡やモニュメントを破壊し続けてきた。イスラムの勢力範囲に入った歴史のある場所で、文化的遺跡の人物像が破壊されていたら、それはたいてい過去のイスラム教徒の仕業だ。アッラーの神の名の元にずっとやってきたものを、今更やめろといっても聞く耳持たないだろうなあ。

旧約聖書にも偶像崇拝禁止の教義はある。例えば、出エジプト記の第20章4節。

あなたは自分のために、刻んだ像を作ってはならない。上は天にあるもの、下は地にあるもの、また地の下の水のなかにあるものの、どんな形をも作ってはならない。それにひれ伏してはならない。それに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神であるから、わたしを憎むものには、父の罪を子に報いて、3、4代におよぼし、わたしを愛し、わたしの戒めを守るものには、恵みを及ぼして千代にいたるであろう。
イスラムの開祖ムハンマドは、モーゼやイエス・キリストを預言者と認めていたし、初期にはアッラーはユダヤ教の神と同じであると主張していたから、イスラムの偶像崇拝禁止も、そもそもはユダヤ教に溯るものだろう。

しかし、同じくユダヤ教を受け継いだキリスト教のほうでは、イエス像やマリア像が普通に教会に置かれてるのだから、源流が同じでもずいぶんと違うもんである。イスラムの教えのほうがキリスト教より成立はずっと後だが、アッラーのイメージは、むしろ旧約の神に近い。一種の先祖帰りともいうか。

コーランのごく初期の短い啓示は、日本語訳で読んでも詩的なイメージが広がるたいへん幻想的なものだが、中期、後期になるにつれ、どうもタヌキが憑いてしゃべってるのではないかというようなものが増えてくる。ちょうどあれだな、大川隆法そっくり。<おい。

開祖ムハンマドが複数の妻を持ったため、信者達が騒いでいた時のアッラーの啓示なんてものもあるが、記憶によって書くなら、だいたい大意はこんなところである。
「こらこらお前達、ムハンマドは複数の妻を持ってもよいのであるぞよ。ムハンマド以外であっても、余裕があって、どの妻をも等しく愛してやるのであれば、お前達も複数の妻を持ってもよいぞよ」
ま、ホントにアッラーの神様はこんなことを言ったのかという感じであるが、コーランがこんな風なことを書いてるのだから、イスラムの人間がみんな一夫多妻になるのが道理である。お釈迦様が同じことを言ってたら、日本の坊主はみんな何人も奥さんを持ってることだろう。しかし、なんかどうもこういう啓示は、アッラーのものというより、ムハンマドが、自分に都合のいいことを勝手にしゃべってるような気がするよなあ。

そうそう、ムハンマドは商人の出であったそうだが、「決算」やら「帳簿」やらという商人ならではのボキャブラリーがアッラーの口から出てくるのも、なんともちょっとウサン臭いところである。もっとも、あんまり大声でこんなことを言うと、イスラムの敵として暗殺リストに載ってしまうので、これぐらいにするが。ははは。

もしも興味ある人は、岩波文庫で「コーラン」が3分冊で出てるから、お読みになるがよろしい。もっともコーラン(クムラーン)というのは他言語への翻訳が禁止されており、アラビア語で書いたものだけが本物で、あとは解説書に過ぎない。アラビア語で、ホニャラハハ〜、ホヨホイェ〜ア〜ワァイエ〜と詠唱しているものこそが本物なんだそうだ。アラビア語で読んだり聞いたりしたら、また印象が違うのかねえ。

しかし、何度も言うようだが、日本語訳で読むと、キツネかタヌキが憑いた人間が自分に都合のいいことをしゃべってるようにしか読めないのだよなあ、これが。<もう、エエ加減にしとけって。