WBAライト級タイトルマッチ、畑山隆則v.s.ジュリアン・ロルシーをTV観戦。ロルシーは元世界チャンピオンで同級1位の指名挑戦者だから、かなりの強敵。 開始草々から激しい打ち合い。チャンピオン畑山は積極的に前に出て打つが、ロルシーはロープにつまりながらも、完全にパンチを見切ってブロックし、隙を見てカウンタの左右の短いフックを繰り出す。チャンピオンはちょっと気合が空回りしているか、大ぶりのフックが時折空を切る。 前回のリック吉村戦とは対照的に、ほとんどクリンチのないクリーンな試合。チャンピオンも挑戦者も、後半になってもあまり動きは衰えない。どちらもかなりトレーニング積んでいるのが分かる。 畑山は継続的に相手にプレッシャーを与えて、時折連打もヒットするが、ロルシーのガードは固く有効打を奪えない。逆にロルシーの防御姿勢から一転してのカウンタは、畑山を確実に捕らえてゆく。 畑山も、日本人にしては珍しくガードが高いのだが、ロルシーの伸びのあるカウンターに手を焼く。あれだけパンチをもらうというのは、やはりロルシーのテクニックのほうが優っているという印象。アナウンサーと解説者は終始チャンピオンがギリギリ優勢と見ていたようだが、パンチの有効性では明らかに挑戦者がリードしていた。結局、畑山は0−3で判定負け。 井岡やら鬼塚やら、日本人チャンピオンが日本で試合すると、疑惑の判定勝ちになる場合が多い。このへんがボクシングのウサン臭いところで、こういう判定を見るたびに、しょせんスポーツではなく興行だなと嘆息するわけだが、今回の判定はキチンと納得がゆく。 畑山はクレバーな選手だから、途中で相手のほうが優勢であることにおそらく気づいていただろう。それでも最後まで試合を捨てずに激しい打ち合いを挑んだハートは、ボクサーとして立派だった。ま、誰しも負ける時はこういうもんだ。挑戦者のデキも素晴らしかった。 その後は、DVDで最近発売された「ウルトラQ」の第一巻を観る。さすがに画面や特撮は古く、時代の流れを感じずにはいられないが、環境破壊への警鐘や核の恐怖を織り込んだシナリオは、今でも十分鑑賞に堪える。 石坂浩二のナレーションに、アメリカでヒットした、「The Twilight Zone」の進行役、ロッド・サーリングの影響が色濃く残ってるのがハッキリ分かって興味深い。しかし、番組の発想はアメリカ産でも、「ウルトラQ」は、その後に続くウルトラマンシリーズの母体として、立派な特撮物の日本オリジナルに仕上がっている。それにしても、円谷英二は偉かったなあ。 |