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2002/06/22 サッカーの商品価値 

昨日の夜は、W杯、ドイツvsアメリカ戦をSkyPerfecTVで観戦。しかし、アメリカも、本国ではほとんど注目されてないワリに頑張っているのである。あまり人気のないスポーツでも、あれだけ身体能力の高い選手が集まるのであるから、さすがにアメリカはスポーツ大国だ。

ドイツとアメリカは、全般的に選手の背格好が似ているし、長いパスを多用する攻め方も似ているような印象。アメリカチームの速攻にはドイツも手を焼いて、守護神カーンの獅子奮迅の働きがなければドイツも危なかっただろう。しかし、あのボールは、やっぱりハンドだよなあ。

もっとも、コーナーキックから奪った1点をキッチリ守りきって逃げ切るところが、やはり古豪ドイツの実力発揮というところだろうか。



ところで、イギリスからの移民が多いアメリカで、なぜサッカーの人気が無いのか、というのは、ちょっとした謎だ。アイススケートや体操よりも人気が無い。まあ、ひとつには、同じフットボールの仲間である、アメリカン・フットボールが全盛であるということがある。もっとも、仲間といってもルールはとてつもなく違うわけであるが。

もうひとつの原因は、やはり、メディアとの関連だろうか。アメリカのプロ・スポーツは、マスメディア、特にケーブルTVを始めとする映像業界とタイアップして、巨大な産業と化している。NBAやNFL、あるいはNHLなどの試合を実際に見に行くと、試合の時々に妙なインターバルがあり、チアリーダーが飛び出してきたり、コメディアンが出てきて座を持たせたりすることに気づくだろう。あれはTVCMを入れる時間を稼いでいるのである。スタジアムの試合の進行そのものが、TV中継とCMを入れるスケジュールを前提に、そちらのタイムテーブルに合わせて進行している。

ところが、サッカーの試合はCMを挿入しづらい。ゲームには、これといった長いインターバルがなく、攻守は、流れるように連続的にめまぐるしくスイッチバックする。ゴールという歓喜の瞬間は、イマジネーションに満ちたプレイの連続により、どんな一瞬にも訪れる可能性がある。チアリーダーやコメディアンが入って、CMの時間を稼ぐような余裕がどこにもないんだよなあ。CM入れてる間にゴールが決まったら、むしろスポンサーはボロカス言われるであろう。

まあ、この点でアメリカの巨大メディアは、おそらくサッカーの商品価値を見限った。2度もプロリーグが設立されたのに、アメリカではあんまりTVのゴールデン枠に進出できず、サッカーがメジャーになりきれないのは、そういったところではないだろうか。

しかし、そう考えると、アメフトの2ミニッツ・ウォーニングというのも、ここでCMを一発入れようという、メディアの知恵者が考えた巧妙な戦略だよなあ。