いつの間にやらワールドカップも終わってしまった。日曜の決勝戦もTV観戦。4年前のフランス大会決勝での「ヘナチョコ」を吹き飛ばす、ロナウドの素晴らしい活躍、そして、敗者としてゴールポストにもたれかかり呆然としていたカーン。祭りの終りと共に去って行く勝利の女神は、いつでも気まぐれで、そして残酷だ。 今週は、毎日蒸し暑いのがかなわんのである。しかし、昨日も外出して会議。汗かいて気持ち悪し。本日は、海外に出す税務申告書に添付する監査証明のサインもらいに、監査法人の事務所へ。うちの会社の関与社員であるパートナーと面談して数字の説明。 サインは、すぐにしてくれるのかと思ったら、ちゃんと法人内部での審査を受けてからでないとできないのだという。まあ、大した金額ではないとはいえ、いちおう監査報告書であるから、法人内のリスク管理の面からは、確かにうなづける手続きである。 アメリカでは、エンロン事件に続いて、通信大手ワールドコムでも巨額の不正会計が発覚。捜査当局は、すでにワールドコムの内部監査担当の身柄も証人として確保して、真相の追究を行う構えらしい。 ・アメリカの会計に比較して、日本の会計は不透明である。 ・アメリカの監査法人は、適正意見出したクライアントが倒産したら、巨額な損害賠償の責を追うから真剣に監査する。 ・馴れ合いでやってる日本の監査法人の監査証明なんぞは、諸外国では何の意味もなく通用しない。 ・アメリカの企業統治は、外部取締役、報酬委員会の導入等で、日本に比べて監視機能に優れている。 こういう評は、プロフェッショナルな経理マンとして、以前から腐るほど聞いた風評ではあるが、エンロンやワールドコムのテイタラクみると、全然、聞いてた話と違いまんがな、という気がする。 もっとも、どんな優れたシステムであっても、悪意で抜け道を探されたら、無力になるのは全世界的な真実。善人も多いが、悪人だって日本のスケールとは比較にならないのが大勢いる多様性のアメリカにあっては、特定の会社で、そういうことが起こるのも無理ないという気もする。アメリカの会計システム全体や、大部分の企業が腐っているわけではないだろう。 むしろ、アメリカの凄いのは、問題が起こった時に、それに対処し改善する、そういうシステマティックな対応の割り切りと早さであって、このへんは日本の官僚機構や会社組織が逆立ちしても及ばない部分だ。これから、さまざまな対策や規制が出てくる。 日本では、長銀が破綻しても、山一が破綻しても、監査していた監査法人は、金融庁主導の護送船団方式の傘の下で、ちっとも責任を問われていない。エンロン事件にかかわったアーサーアンダーセンが、会計事務所ビッグ5の一角を占める規模を持ちながら、アッサリと破綻してしまうという事実そのものが、アメリカの持つシステムの健全性の現れの一端とも言えるわけであるが。 |