会社のTさんは来年1月で定年。昨日の夜は、昔お世話になった面々が、あちこちの部署から20名以上集まって、ちょっと早い送別会。まだ入社してまもない頃、Tさんをリーダーとするプロジェクトのメンバーになり、3年ばかり部下として働いたことを懐かしく思い出す。関東人らしく、知らないとぶっきらぼうに見えるが、実は照れ屋で、思いやりが深い。ずいぶんと仕事上ではお世話になったし、教えてもらい、育ててもらった。 JTビル内、「黄鶴楼」の個室に集まったのは、みんな昔から知ってる人ばかり。全員が順番にT氏を送る挨拶。他人の挨拶に、全員でツッコミを入れながら、陽気に騒いで宴会。しかし、店の名前は、どこかで聞いた覚えが。よく考えると、李白の詩に出てくるのだ。 故人 西のかた黄鶴楼を辞し高校の漢文の時間に習った時に、実に感銘を受けた詩だが、特に最後の雄大な風景が凄い。はるか地平線まで伸びている揚子江を、友人が乗った船が下って行く。帆がどんどん小さくなり、空と川の交じり合ったあたり、ほとんど見えなくなるまで、李白は川岸で友人を見送るのであった。「黄鶴楼」。考えてみると、送別会をやるには実に感慨深い店の名前だなあ。 店の名前はよいのだが、ま、料理のほうは大したことない。しかし、個室を借り切り、飲み放題3時間で1人6000円の安いコースであるから、あんまり文句言えた義理でもないか。ははは。ビンごと燗をした老酒は、なんともクドい妙な風味。赤ワインを飲むことにして、老酒はひたすら他人につぎまくる。 なんだかんだで大騒ぎして、ほぼ3時間費やして宴会も終わり。長江ではなく、ビルの前から、船でなく、タクシーで去るT氏を全員で手を振って見送り。昔は毎晩激論して深夜まで飲み歩いたメンツであるが、さすがに分別のある年になってるからして、一次会で三々五々に散会だ。しかし、帰宅してみると、結構に酔っていた。ははは。 |