先日、某業界団体の会計関係専門委員会のパーティーで、顔見知りの某社の経理マンT氏と立ち話になった。このT氏は、タイの現地法人に5年間赴任して、半年前に帰国したのだとか。先方の事務所の場所は、うちの会社の現地法人と同じビル。私も一度出張に行ったのだが、ひょっとしてどこかですれ違っていたかも。 屋台が集まったマーケットを歩いてると、後ろから手を触る奴がいるので、誰かと振り返ると小さなゾウだったという話をすると、そうそう物売りの連れたゾウがいますなと懐かしそう。 T氏が駐在時代、バンコクの道を歩いてると、後ろから大騒ぎが聞こえる。振り返ると、大きなゾウが道路をズシンズシン走っており、後ろからパトカーがサイレン鳴らして追いかけてたのだとか。まるで「ジュマンジ」のよう。はは。 どこからか逃げ出したゾウらしいが、そもそもが臆病な動物なので、後ろからサイレンなど鳴らされてパトカーに追いかけられると、逆上してかえって止まらないらしい。 近代的な高層ビルの横には汚い屋台が並び、建設を中止した廃墟もあちこちに。蒸し暑い夜の喧騒が収まった朝の街は、食物が腐敗した匂いで一杯。しかしそれもまたスコールですぐに流されてしまう。ディープなアジアが本当にアジアらしい形で残っている場所。「いつかタイに帰りたいと思ってるんです」とT氏は遠い目をしたのだった。 |