イラク支援に国際協調を要請するブッシュの国連演説。しかしねえ。 みんなで止めたのに、正義漢アメリカは他人の家の家長がけしからんと殴りこみをかけ、家長を叩き出した。しかし暴れたことによって家がボロボロになってしまったので、見ていたみんな、悪いが修理する金を出してくれという論法である。 湾岸戦争の時の日本は、金だけ出してバカにされた。今度は自衛隊も出し、応分の人的貢献もしようとしてるのだが、「金もたくさん持ってるのだから他の国より余計に出してくれ」とせびられるのは目に見えている。今回は金も人も出してバカにされる訳だ。 まあ、日本の体制はアメリカの属国として生きることを選択したのだから、何でも唯々諾々とアメリカのいいなりになる国という風評は甘受しなければならない。国際社会で何の意見もマトモに開陳できない国なのであるから、尊敬されなくともしかたないが、どうせ金をむしられるのなら、人的貢献なんぞやらなくてもよいのでは。自衛隊が気の毒だ。 塩野七生がどこかで書いていたが、イタリアは国連が調停に乗り出すような国際紛争が起こるとすぐに軍隊は出すが金は出さないのだそうだ。早々に軍隊を派兵して今まで死者はゼロだとか。安全なところを先に確保して陣取っているのかもしれない。さすがにマキャベリを生んだ国という気もする。 実戦経験もなく、要領の悪い日本の自衛隊は、うっかりイラクに行くとおそらく血を流すことになるだろう。というより、イラク国内の無差別なテロによって何名かの自衛隊員が殉職するような事がないと、本当に今後とも自衛隊を海外に派兵してよいかどうかの真剣な議論は行われることがないだろう。金だけ出したらよいだろうというのも平和ボケだが、ロクな議論もなく海外に自衛隊の派遣を決めたのも平和ボケの一種という気がする。 |