ようやく週末。 オーストラリア滞在中のこぼれ話。パース郊外に住むオーストラリア人夫妻と会話中、たまたま去年、うちの妹が産んだ赤ん坊の話になった。奥さんのほうが、「で、何パウンドだったの?」と尋ねる。ポンドで聞かれても分からんなあ。「あれ? オーストラリアはメトリック・システム(メートル法)を使ってるよね」と確認したら、「でも、赤ん坊の話は、絶対poundでないとピンとこない。物じゃないんだからグラムなんてとんでもない」と力説する。1967年にメートル法採用を採択したオーストラリアでも、身体感覚に密接した度量衡はなかなか抜けないということだろうか。 それに比べれば日本の尺貫法は完全に廃れた気がする。まあ、世代もあるだろうが、いまや、身長を「尺」とか、体重を「貫」で言われても分からない。靴のサイズも、昔は「文」だったが、いまやジャイアント馬場の「16文キック」にその名を残すだけである。ま、うちの親父は、昔は靴のサイズを「文」で言ってたが。はは。 試みにネットで調べてみると、U.S. Metric Assosietionのページがあり、いまやメトリック・システムを使ってない先進国はアメリカだけ。他の国でも、リベリアとビルマくらいだとのこと。こうしてみると、ヤード、フィート、パウンド、ファーレンハイトと、度量衡の世界でも孤高を守り続けるアメリカってのは、ある意味偉大な田舎者だなあ。 もっとも日本でもいまだにメートル法が優勢でない分野があって、それはゴルフである。距離の事を一般に「ヤーデージ」と言うことからも分かるが、どのゴルフ場でもヤードによる距離表示が一般的。メートル法による併記が推進された時期もあるらしいのだが、プレイヤーには不評で、結果的にはメートル表示はほとんど残っていない。TVの中継でもヤードでしか距離を言わないし。 ところが、オーストラリアのゴルフ場は、ゴルフとヤードの「本場」、英国の仲間の割には、メートル優先なのですな。白杭が「150」と聞いてヤードのつもりで打つとショートする。150というのは、165ヤードだったなと気づいても後の祭。コースにある距離の表示は基本的にメートル。 オーストラリアはブリティッシュ・コモンウェルスの一員ではあるが通貨の単位は「ドル」であるなど、ちょっと「本場」とは違うことがあるが、果たしてイギリスのゴルフ場はどうなんだろうか。全英オープンの中継などでも、基本的にヤードが使われていた気がするが。そういえば、クリケットなんかでもメートル使ってるはずないよなあ。スポーツの世界でも、なかなか馴染んだ単位というのは変えにくい。 |