日曜の午後は銀座をブラブラ。松屋地下の食品売り場に「セイコ 島根県産 700円」とあった。越前ではズワイガニのメスをそう称するのだが、島根でもそうなのだろうか。金沢では香箱ガニだ。 7杯あったら開高丼にトライしてもよいのだが、売ってるのは2ハイだけ。店のオバちゃんが、「さっき茹でたばかりだから、まだ暖かいよ。ホレ」というので触ってみたら冷たかった。そう、人生はそういう小さな失望の連鎖だ。はは。ま、試みに2ハイとも購入。しかし、外子が無いのかと思うほど腹は薄かった。 夜に、菊姫山廃吟醸を飲みつつセイコ。両脚を持って内側にぺシャリと折ると腹部分が外れる。オレンジの内子や緑色の味噌、そしてちょうどシャコを煮た時に殻に残るような(要するに脂肪と一種のアクかもしれないが)白いビラビラ部分。殻の中身が酒のツマミに美味いのだ。外子も時折つまむとオツな味。 しかし、宝生寿司や千取寿司で食べた香箱に比べると、なんだかちょっと旨みと風味が落ちる気がする。冬の北陸で食したそれは、まさに海の宝石箱という表現がピッタリな美味だったのだが。島根産だからか、もともと質が悪いのか、輸送時に品質が落ちたのか。ううむ。 菊姫は芳醇な香り。コクもあり美味い酒。これまた金沢を懐かしく思い出した。 |