富士山がとても綺麗に見えた朝。寒いことは寒いが、それでも徐々に春が近づいているような。 仕事のほうは朝からなんだかんだ気ぜわしい。午後から、アメリカ現地法人から出張してきた社内弁護士と国際税務関係の打ち合わせ。先週、本社側で訪問した日本の役所の反応を伝えて今後の対応をあれこれ。つまらない単語が時折出てこない。英語を話す能力は、やはり年々衰えている気がする。 仕事の話が早目に終ったので、時間つぶしに彼の好きな盆栽の話など雑談。今回の来日も大宮でのボンサイ・エキシビション訪問が半分の目的。最近、シロウト向け写真満載の盆栽入門本を出した「銀座森前」の話をすると、昨日行って来たところだという。盆栽好きには海外でもやはり有名な店らしい。 アメリカでは最近植物検疫が厳格になり、盆栽を日本から持って帰ると、木の種類にもよるらしいが、2年ばかりアメリカの試験農場に預け害虫がついてないか検査しなければならないのだとか。それはそれで実に厳格な話だな。ひょっとして「911」以降のバイオテロ対策かと思ったが、純粋に木を枯らす害虫の検疫目的なのだとか。 毎年2月に上野で日本で一番権威あるボンサイ・エキシビションがあるとか、来年それに出品する予定だが審査を通ったら出品する初めてのアメリカ人になるはずだとか、500件以上応募があるが200数十点しか審査に受からないのだとか、盆栽についての「トリビア」をフムフムと興味深く聞く。ま、しかしアメリカ人からあれこれ盆栽のことを教わるのも不思議な気分。去年もそんな感想だったな。はは。 夜は上司も入れて日比谷の中華料理店で会食。アメリカのBSE騒ぎで日本の牛丼が販売不能になったことや、日本マクドナルドはオーストラリア産牛肉を使ってるから大丈夫なことなど教えてやると、「アメリカでは誰も気にしてないがなあ」、とのコメント。アメリカ大統領戦は、このままだとブッシュが勝つだろうとの観測。彼はどちらかというと共和党寄りだ。アメリカ人は彼ひとりなので、リラックスさせるため英語でジョークをあれこれ考えながら連発してると、できそこないの「アメリカ版デイブ・スペクター」になったような気分。 老酒飲んでホロ酔い気分で散会。ボンサイ弁護士は、これから一緒にアメリカから来た「盆栽仲間」と会うのだという。盆栽は英語でも「Bonsai」。彼に言わせると世界に冠たる日本文化である。もっとも肝心の日本では、やはり、引退老人の趣味という印象が今でもするんだよなあ。 |