木曜夜は、TVで唐沢版「白い巨塔」。週刊朝日に連載されていた山崎豊子の原作は、裁判第一審の財前勝利で終わる。白い巨塔に君臨する財前。結局のところ悪が栄える一種のピカレスク・ロマンのような終わりかたであったが、真面目な読者から非難が殺到。山崎豊子は今度は再審以降での財前の転落を描くべく、「続・白い巨塔」の執筆にとりかかったのであった。 今回のTV版では、この「続」部分に入ってからの進行が早い気がする。もう柳原医師は問い詰められて錯乱し、財前を裏切る。財前が時折ヘンな咳をしてるのも、伏線としてはかなり早いな。次回予告を観たら、財前はもう法廷で倒れている。このままだともう終りなのかね。う〜む。 田宮二郎版の柳原医師はいかにも善良で気の弱そうな男であったが、こんどの版の柳原もヘタレぶりが堂に入っており、なかなかのハマリ役。そういえば、この人は「陰陽師」でもヘタレな貴族役であった。 昨日の夜は早く会社を出る。銀座某所で軽く一杯やってると、店の人が、「今日の午後、銀座で宝石強盗がありましたよ」と教えてくれる。販売価格で35億円とか。実際の在庫としての帳簿価格はおそらくその何分の1だと思うが、あるところにはあるもんである。しかし盗んでも売りさばくのがなあ。 夜は、DVDで「田宮二郎版」の続き。こちらはちょうど一審判決が出たところまで。平行で見てるとだんだん混乱してきた。しかし、田宮二郎は微妙に動く実に繊細な表情がよい。裁判で証言した里見が左遷される。鵜飼教授から、「里見君は山陰大学の教授になるんだよ」と知らされ、「山陰大学?」と驚く時の表情。非情に徹しきれない心情の揺らぎが出ており実に印象的。唐沢「財前」は、この部分、「いや、おめでとう」と軽く流していたのだが。 本日はのんびり起床。夜は某寿司屋巡回の予定。昼間はたまった本でも片付けるか。 |