プロ野球もモメてますな。オリックス・近鉄の合併をオーナー会議が承認。しかし、球団が「合併」する必然性がよく分からない。経済的合理性を追求するなら「負け組」同士の合併に意味はないのでは。 事業に補完性があって収益の拡大が見込め固定費を削減できるなら、合併したほうが勝ち残れるという戦略がなりたつ。プロ野球チームの場合、合併しても試合数は1チームの時と同じまま。合併で人気が出れば収入は増えるだろうが、オリックス・近鉄でそんな効果あるのか。支配下選手の数は増えないが、選手を2チームから選りすぐると選手のサラリー合計は増えるだろう。合併しても赤字が増えるような。 現状のプロ野球球団はそもそも単独の企業営利としては成り立っておらず、親会社の補填頼みの経営。合併で赤字は減らないが、2社で負担すると半分で済むという消極的メリットが合併の理由か。球団の年間赤字は数十億円と言われるが、撤退せず、出血も止めないままズルズルと踏みとどまる「負け残り」戦略というか。 しかし、黒字転換が見込めないのなら、合併うんぬんよりも、本来は他社に権利を売却して撤収することを検討したほうがよいと思うがなあ。親会社にしても、赤字の球団を合理的な理由なく保有し続ければ株主代表訴訟のリスクさえあるだろう。 オリックスも近鉄も、プロ野球から去って行くオプションは検討しなかったのだろうか。ダイエーも本体が火の車で消滅寸前なのに球団だけ維持する意味は乏しい。ロッテも西武も日本ハムも、赤字が嫌なら歩調を揃えてプロ野球から撤退し、セ・リーグだけ残すという究極の案も検討してはどうだろうか。日本のマーケットで12球団全て黒字というのが無理な話なのかもしれない。 ライブドアも話題を集めたが、本業の経常利益は昨年度で数億円しかない。上場でストックとしてのキャッシュは潤沢なのだろうが、本当に毎年何十億の赤字を負担する能力があるのだろうか。いささか疑問である。 そうそう、余談だが、パ・リーグは5チームになると、135試合が108試合になって減収となるから交流試合やらないと成り立たないと言っているオーナーがいた。しかし1チームと27試合やるのが金科玉条なら別だが、1チームあたり34試合対戦すれば136試合できる。それで何か都合悪いのだろうか。なんとも不可思議な主張という気がしたのだが。まあ、プロ野球の世界もよく分からんな。 |