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2004/11/16 コクドとナベツネ

昨日は、昔お世話になった上司の定年お別れ飲み会。誰でも間違いはある。どんな失敗でも隠してはいけない。上司にすぐに打ち明けて、真摯に解決に努力することが、結局のところ一番早く、しかも有効な解決法であることを教えて頂いた人である。懐かしい話などしながら、なんだかんだで酩酊して帰宅。



月曜の日経産業新聞に、西武鉄道の「コクド管理株」についての会社側調査結果が掲載されていた。そもそもグループのワンマン・オーナーの個人会社であり、親会社でもあるコクドに強く文句言えるはずもない。そういう制約の中で、一応は真面目に調べたという印象。昭和30年代に遡ってずっと株式担当が引き継いでいたことであり、現経営陣は確かに何も知らなかったのかもしれない。

発表文を読んでも、「当社とコクドは微妙な関係にあり、コクドに問い合わせて事実関係をお互いに確認するという関係にない」とか、「当社の役職員は、コクドからみの問題については敬遠する傾向が強く」など、割と正直に苦しい心境を書いているのではという印象。ま、要するに堤義明天皇の会社には誰もタッチできないし文句も言えないということである。

おそらく上場廃止になるだろうが、そもそも西武鉄道は証券市場から資金調達などはしておらず、企業として特段困るようなことはないのかもしれない。ただ、巨額の借入れがあると噂される親会社のコクドは、持ってる資産の流通価値が下がる訳で、今後はなかなか大変なのではないだろうか。堤王国の落日か。

そういえば、日本テレビ放送網も、ナベツネ個人名義の株が、実際には読売新聞グループ本社の所有だったと再度の修正発表。5日に行った最初の有価証券報告書の訂正では、大株主の一覧に渡辺氏の名前を残す一方、「実質所有者は読売新聞グループ本社である」との注記を付けていた。

今回の訂正報告書では、「渡辺恒雄」会長の名義としていた日テレ株を、すべて実態に合わせて「読売新聞グループ本社」名義に修正。こちらも迷走に次ぐ迷走を重ねている。新聞社がこんなことをやっていては、コクドや西武鉄道を批判できた義理ではない。なんとも恥ずかしい話だよなあ。

企業の常として、飛びぬけたワンマン権力者がいると、企業統治やらコンプライアンスには必ず問題が出てくる。そもそも、この個人名義の株式は、死ぬまで読売新聞の帝王として権力の座に君臨した務台ジイサマの時代からの名残だと言う。何かのはずみにジイサマが、「なんで俺の名義じゃないんだ」と突然に怒りだし、社長室やら総務がアワを食って走り回り、会長の個人名義に変更しただとか、多分、他所から見ると実にバカらしい事が発端なのではないだろうか。「ハダカの王様」に仕えてると、そういう事が多いのである。

ま、いずれにせよ絶対権力は必ず腐敗する。ナベツネもしかり。老害の親玉が自分のところにいては、メディアとして他の企業の批判も覚束ないだろう。ぼつぼつ引退の潮時ではないのかね。