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ホリエモンとフジテレビの騒動は、案外あっけない和解。ライブドアが買い集めたニッポン放送株をほぼ取得価格に等しい価格でフジが引き取り、それに加えて440
億円をライブドアに出資する。ホリエモンが買い集めた株を持ってフジサンケイ・グループに土足で上がりこみ、株を返すと同時に440億円の駄賃を貰って玄関から出て行った恰好か。フジにすれば、金をくれてやったのだからこれで黙って去れよと言いたいところかもしれない。 ITと放送メディアの融合などと称していたが、単なるカケ声だけに終わる気がするな。結局のところ短期保有で利を得るためのマネーゲームだったのでは。ホリエモンは本当に、日本を変える若き救世主だったのだろうか。その昔、ホテル・ニュージャパンの「乗っ取り屋」横井英樹が西武鉄道株を買い占め、怯えた西武鉄道に高値で買い取らせた。それとどこが違うのだろうか。 資本提携といっても、フジが新たに出資するライブドア株は07年9月以降に売却可能。ライブドアは特段フジに対する発言権を留保した訳ではない。ライブドア株の 時価が大幅に下がるとフジも減損しなくてはならないから困るだろうが、かといって特段ライブドアの企業価値を高める努力をする差し迫った必要がある訳でもなかろう。適当なことをいって、ノラリクラリと大して協力せずにお茶をにごすこともありうるのでは。 ライブドアのほうは、現時点では企業価値が向上する明確なシナリオは無い。しかし手元の無駄なキャッシュは増える。だとしたら、今度は逆に自分が買収される危険が増すのである。ライブドアは今後もこの金をすぐに別に回して投資し続けなくてはならない。連鎖するマネーゲームはまだまだ終わらない。勝者が誰かも分からないままに。 |