昨日の報道ステーションで、名古屋場所を前にした貴乃花部屋の様子が流れていた。記者にチャンコをふるまう貴乃花親方。「おい、うちの鍋の隠し味はなんなの」と給仕する弟子に聞くと、若い力士達は誰も分からず右往左往、大慌てで外に兄弟子を呼びに行く。貴乃花親方のガリガリに痩せた身体にも驚いたが、土俵に下りるのも1年ぶりという報道にも驚いた。おそらく部屋でチャンコを弟子と食べることもほとんどないのだろう。弟子との会話も、まるで初めて口をきくようで実にぎこちない。 TVの映像は図らずして色んなものを写しこむ。関取ゼロ、部屋頭は貴乃花親方と同期だった幕下。二子山部屋と藤島部屋が合併した大所帯をアッという間に衰退させた理由が、なんとなく推測できるような。そういう予断を持って見ると、景子夫人との電話もわざとらしい演出にしか思えない。貴乃花は、力士としてはひたむきな素晴らしい横綱であったのだが。人生は陥穽に満ちている。そんな感慨が。いや、まあ、所詮他人事であって、どうこう言っても詮無いことであるが。 |