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2005/07/27 「皇室典範に関する有識者会議」

今朝の日経に「皇室典範に関する有識者会議」が皇位継承資格者の拡大についてまとめた「論点整理」の記事。女系天皇の継承を容認する案と、旧宮家を皇族復帰などさせて男系男子継承を維持する案とが両論併記されている。

皇位継承問題については、過去日記で、「本当に女帝を認めてもいいのか」という本に関する感想を書いたことがある。

「昔は女性天皇もいたし、諸外国の皇室でも女性継承がなされているところがある。日本もそれでよいではないか」という説も一概には否定できない。しかし、昔の日本に女性天皇が存在したのは事実であるが、その女性天皇の子孫が皇位を承継したことは一度もない。女性天皇と女系による皇位継承が違うという事実は、一般にどこまで広く認知されているだろうか。私自身も明快に整理ができたのは上記の本を読んでから。

「有識者会議」は首相の私的諮問機関で皇室問題の専門家も含まれていない。拙速に「女帝容認論」を押し切ろうとする政府の意図が隠されているのでは、というのが上記の本で示された危惧であった。しかし、今回の論点整理では、男系継承を続ける「旧宮家復活・傍系継承」案が両論併記の形で公表されたのが興味深い。戦後に臣籍降下した旧皇族の男系男子を再び皇位につけるか、養子に迎えるという提案であるが、やはり男系男子皇統にこだわる勢力が圧力でもかけたかね。

私自身は、世論の大勢がそうなら、皇位継承は、女帝容認・女系継承にしてよいと思う。しかし、天皇制というのも、ある意味過去の遺物だが、そもそも民主主義やら男女同権やら近代の合理精神との矛盾を自ずから含んでいるのも事実。旧宮家復活には、「国民の理解を得るのが難しい」との反対意見があるとのことだが、「女系継承」容認だけではなく「男系継承」存続案も広く世間に知らしめて、その是非を最初から議論する意味はあるのでは。

「万世一系」などと称すると、朝日新聞流自虐史観では「軍靴の響きがする」と批判されかねない。しかし、日本の天皇家には遥か古代の大王の血、そのY染色体が現代にまで連綿と受け継がれているという物語は(その真実性は別として)、歴史のロマンをかんじさせるひとつのファンタジーとして、国民全体で共有できるような気もするのであるが。「ダ・ヴィンチ・コード」にあった「メロヴィング朝とイエスの血脈」を思い出すな。