日曜は、会社のアメリカ人がメンバーになっているコースでゴルフ。スタートは12分間隔で、前のパーティーはまったく見えない。まるで無人のコースを行くがごとし。フェアウェイ、グリーンともよく手入れがされており、ゆったり広々として美しい。1922年設立という古いクラブ。大きな木が多いのはそのせいでもあるだろうか。 プロショップでも、レストランでも、バーでも、従業員はメンバーの顔を覚えており名前を呼びかける。プールもテニスコートもあるし、レストランに食事だけしにくる事もよくあると。接待ゴルフの場所と化した日本と違い、アメリカのカントリークラブは、一種、地域の社交場としての「クラブ・ライフ」を過ごす場所になっている。何千万も会員権がするゴルフ場まで、車で何時間もかけてたどりつき、ゴルフだけやって帰ってくると一日仕事になる日本とは、これまた大違いだ。 日本から来た「駐在」が、会社の金でプライベートのゴルフ・クラブに入っても評判悪いのは、日本人同士でゴルフするだけで周りのメンバーに溶け込まず、ゴルフ以外のクラブとしての活動なんかにはとんと無関心だからと聞いたことがある。まあ、中西部におけるほとんど白人だけのコミュニティに溶け込むのも、大変なのは確かだが。経済だけ無闇に発展した日本だが、日常生活の豊かさという面において、まだまだずいぶん彼我の格差がある。土地が狭いのは事実だが、それだけでは説明しきれない格差があるような気がするよなあ。 アメリカ人2名と回ったのでマリガン・ルール採用。Mulliganとは、日本のゴルフではあまり耳にしないが、最初のホール、ティーショットが失敗したらもう1発打ち直せるという、いかにも、アメリカン・イージーなルール。勿論、邪道ではあるのだが。更にアメリカ人の提案で、Front 9で1回、Back 9でも1回打ち直しオッケーなんて拡大・マリガン・ルールも採用。ドライバーが池に入った前半1回だけ使用。まあ、実にお気楽な、気晴らしゴルフにはうってつけのルール。もっともルールに厳格なゴルフ愛好家には叱られるかもしれない。 「Mulligan」、「Front 9」などもそうだが、ゴルフにまつわる英語は、日本で使ってるのとずいぶん違う。ナイス・ショット、ナイス・パットは、アメリカでは使わない。Good Shot、Good Patだ。短いパットを残した時、もう打つ必要ないとして、日本では「オッケー(パット)」と称するが、アメリカ人には「OK」といっても何のことか通じない。こちらでは「Gimme」、あるいは、「Just pick it up」と声をかける。 しかし、日曜に回ったアメリカ人は、日本語こそ話さないものの、日本人との付き合いに慣れてる連中であるからして、日本流の「ナイス・ショット」やら「オッケー」を連発。なんかこう、アメリカでゴルフしてる感じがないんだよなあ。アメリカにも、「接待ゴルフ」にあたる言葉はあって、「Customer golf」と称するのだそうである。なるほど。 |