|
ＮＨＫは、受信料の不払いを続ける都内の４８世帯に対し、「今月末までに支払わなければ民事督促手続きに入る」と明記した“最後通告”文書を郵送することを決めた、とのニュース。 督促対象の選定手続きがなかなか興味深い。東京23区内の不払い者19万件から無作為に700件を抽出して支払説得を行った。転居者と経済的に支払不可能な人を除き、NHK不祥事を理由に支払拒否する人も、説得が困難とみて対象外に。最後に残ったのが今回請求対象。居留守を使うなどして積極的に拒否の意見を開陳していない層なのだという。700件抽出してそれが48件ねえ。 ま、要するにウルサイのは放置して、尻馬に乗ってズルしてるのから取り立てようという作戦である。本来ならば不祥事を盾に確信犯的に不払いする層をこそ説得するべきという気がするが、とりあえず取りやすいところから始めるということか。このまま放置すればおとなしく払ってる層から文句出るのも必至だから、まあ何らかのアクションは必要だ。法的手段も一罰百戒で、付和雷同の不払い層に影響与えることができるという計算もあるだろう。 試みに、ネットで「NHK+不払い」を検索すると、理論武装して受信料不払いの主張を延々と述べるページがいくつもある。放送法にある「受信設備を設置したものはNHKと契約しなければならない」との定めが受信料徴収の法的根拠だが罰則がない。「不払い運動」ページには、民法に言う「契約の自由」まで盾に持ち出すツワモノがいるなど、なかなか一筋縄ではゆかないウルサ方揃いで、さすがにこういったところから受信料を徴収するのは至難の業だろう。下手に法的手続きを取ると、望む所と応戦され、裁判の泥沼にもつれこみそうなのが多々いるんだよなあ。 まあ、私自身は消極的支払派。喜んで払いたい訳ではないが督促されるのも面倒だし、徴収にくる係員も気の毒だから払うという程度。海外にいる現在は支払していないが、日本を出るまではずっと真面目に銀行引き落としで払っていた。まあ、例外はあるものの、NHKスペシャルやら国会中継、相撲中継など、NHKには民放にはない見るべき番組も結構あると素直に評価している。 高邁な正義感で、「不祥事にケジメつけてないNHKは一切見ないし、受信料払わない」と主張している人間に反論はしない。ま、そんな人もいるだろうと、敬して遠ざけるだけだ。問題は、大した理屈もないのに他人の尻馬に乗って不払いし、得したとほくそえんでいるズルい輩が結構いるということ。こんな連中からはキッチリ徴収してもらわないと、真面目に払ってる者がバカを見てしまう。 そういえばＮＨＫは、「紅白歌合戦」の観覧希望を受信料支払者に限定する方針を固めた、ともニュースで。受信料不払いしてるのに紅白歌合戦観覧希望の葉書を出すという神経もちょっと信じがたいが、この世の中には、呆れるほど厚かましい奴がきっといるのだろう。払えるのに屁理屈こねて子供の給食費払わない親と、どこかちょっと似たところがある。 まあしかし、受信料の不払いは112万件、未契約に至っては、すでに1000万件近いというのだから、受信料を聴取するという制度の根底がもはや崩れていると考えてもよいのかもしれない。いずれはスクランブルかけて見たい人だけが契約するという方向に持ってゆかざるを得ないのでは。そうなった場合の採算がどうなるか、なかなか興味ある問題ではあるが。 |
|
ＮＨＫが受信料不払いに対して法的督促の措置を取ると発表した今月５日から９日までの間に、全国の営業窓口などに未契約者からの新規契約の申し出が1810件、支払い再開の申し出が1460件あったとニュースで。普段の４倍に上る件数だとか。 やはり、NHKが不払い者に民事督促手続きに出るという報道が効いたんだな。まあ、しかし、最初からちゃんと正直に払ってれば、NHKが法的措置取るからといってアタアタしないで済むわけである。「ズルせずにちゃんと払えよ、NHK見てるのに不払いしてる諸君視聴者諸君!」と言いたい気分である。わはは。ま、私はNHKの映る受信機を保有しない海外居住者であるから、もともと支払義務は無いのだが。日本にいた時は、10/6の日記に書いたようにちゃんと払っていたのである。 もっとも海外で衛星アンテナを立ててTV Japanを視聴する場合は、ちゃんと払わなくてはならない。オーストラリア在住のうちの両親の家でも払っていた。アメリカでケーブルTVのチャンネルで個別に契約してる場合もチャージされてるはず。私は契約してないが。 日本ビデオ屋でたまに「NHKスペシャル」なんかを借りる。聞いた話では、アメリカの日本ビデオ屋も、日本国内にTV画像の使用料を支払ってるそうで、これも間接的に番組単位でNHKに流れてるのかね。そういえば、日本ビデオ屋が使用料を日本に払うようになった時から、民放の録画からCMがカットされるようになった。普段は見るのも邪魔だが、無いとなるとたまには日本のCMも見たくなるこの不思議。 |