木曜の朝からガクンと気温が下がった。駐車場に向かう朝、吐く息が白い。気温は摂氏1度。雲行きも怪しかったが、9時半頃から軽い雪が降り出した。「いくらなんでも雪が降るのは早くないか」と尋ねても、「ま、これがChicagoの天気さ」とアメリカ人は達観している訳であるが。 車の屋根には軽く積もったが、午後からは晴れて陽光が差し、午前中に雪が降ったとは信じられない天気に。しかし外に出るとやはり底冷えがする。この辺りの気候はもう冬の入り口に差し掛かっている。 日本ビデオ屋で借りてきたDVDで、「オーラの泉」なんてのを見た。江原啓之が本をたくさん出してるのは知ってるが、TVであれこれしゃべってるのを見ると、どうもやはり胡散臭い。 私自身は、死後の世界やら、霊魂や守護霊、生まれ変わり(reincarnaion)や超感覚知覚などを別に否定している訳ではない。ひょっとすると存在するかもしれないと思っている。存在が証明されたわけではないが、存在しないことが証明された訳でもないのだから。 しかし、それでもなお、江原啓之が語るオーラや前世の話は、どうにも信じる気がしない。こんなことを言ってはファンから大きな非難を受けるかもしれないが、あれは詐欺師の物言いだという気がしてならないなあ。 ところで、転生輪廻したとしての前世であるが、江原に限らず前世を見る人は、妙に日本に生まれた前世について語ることが多いような気がする。世界はこんなに広いのに、前世で日本に生まれている確率がそんなにあるもんだろうか。 日本の人口が1億3千万人。世界人口65億に対する比率で2%。全世界の魂に占める日本人のシェアは2%だ。歴史を遡るとこの数字には変動あるだろうが、いつでも世界の2%が日本人だったと仮定しよう。そして、我々は今まで何回生まれ変わっているのか。いくつの前世があるのか。 死んですぐに生まれ変わるのでなしに、天国や地獄や煉獄でウロウロしている、つまり再登板を待ってる時間もあるのかもしれないが、休みなく次の生を受けるとすると、一世代終える平均には平均寿命を使えばよい。もっとも、全世界の平均寿命、しかも過去からの推移など分からないが、現在の日本でだいたい80才くらい。後進国ではもっと短いだろうし、近代以前もずっと短かっただろう。半値8掛けで30年と仮定してみる。 そして歴史をどこまで遡るか。日本人として生まれた前世が意味をなすのは、まあ飛鳥時代より後だろう。余裕を見て西暦500年以降としよう。現代までの1500年を平均寿命30年で割ると50回。 で、前世のうち日本人に生まれた確率を「魂のシェア」2%をもちいて計算すると、50(回)X2%=1(回)。我々が過去生において日本人として生まれた確率は、まあ誰でも1回くらいしかないのでは。なんだかずいぶん少ないな。計算間違えてないかな(笑)。人口に占めるシェアからすると確かに、中国人やインド人として生まれた前世のほうがずっと多いはず。その割には、霊能者が語る前世は、なんだかむやみに日本の場合が多いような気がする。 もっとも、因縁か何かの作用で、一度日本人に生まれると、再び日本人に生まれる確率が高くなるという考えもあるか。しかし、奈良時代の日本の人口は450万人程度との推定もある。増えた日本人はいったいどこから生まれ変わってきたのか。いやいや、世界の人口そのものが、ここ100年くらいで爆発的に増えているわけで、全員何かの前世を持つと考えると魂の勘定が合わない。このへんはいったいどういう理屈になってるのか。昔はキツネやタヌキだった霊が、人間が増えたために昇格して人間に生まれ変わってるとか? ま、こんなアホなこと考えてると、いつしか時が経ってる訳であった。はは。 |