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2006/11/08 アメリカ中間選挙の開票速報〜レッド・ステイトとブルー・ステイト

昨日夜は、アメリカ中間選挙の開票速報番組を、CNN、MSNBC、FOX-NEWSなどをザッピングしながら。日本だと総選挙の日はどの民放も特番だらけだが、ニュース専門チャネルが確立したアメリカでは、逆に一般チャネルは選挙報道などには一切関心なく、いつも通りの放送なのが面白い。やはり民主党が躍進。下院では早々と過半数を確保。大統領2期目の中間選挙は、大統領側が負けるという「6年目のジンクス」なるものがあるらしいが、今回は特にイラク戦争の長期泥沼化でブッシュと共和党の人気が落ちている。確かに予想された結果。

民主党は青、共和党は赤という政党色が決まっているのだが、選挙番組でも共通してこの色を使うから、議席配分などパッと見て分かりやすい。どちらの政党が強いかで州を色分けして、レッド・ステイト、ブルー・ステイトとも呼ぶ。

一般的に言うなら、共和党支持のレッド・ステイトは田舎の州。テンガロンハットかぶったジーン・ハックマンみたいなオッサンがトラクター乗っている。流れる音楽はカントリー・ウエスタンで、乗る車はピックアップトラック。アイダホ、アラバマ、コロラド、テキサス、ネブラスカなどなど、アメリカの田舎は、基本的にみんなレッド・ステイトと称して間違いない。保守本流の昔ながらのアメリカといってもよいだろう。

民主党支持の多いブルー・ステイトは、どちらかというと大都市を抱える州。大都会があるがゆえに、マイノリティ、移民、ホモセクシャルなどが在住し、麻薬、貧困、犯罪などの都市的問題も抱えている。州で言うなら、ニューヨーク、マサチューセッツ、イリノイ、カリフォルニアなど。Progressiveなアメリカの一側面を代表する州であり、日本人にはこの辺りの州がお馴染みではあるのだが、これだけがアメリカだと思うとやはり間違える。

もっとも、大統領選挙の場合は割りと色分けしやすいが、上院、下院議員の選挙では単純な色分けは難しい場合あり。下院は民主党が大勢を占めることが早々と判明。上院についても民主党が躍進しているのだが、果たして多数派になるかどうかまでは昨夜の段階では不明であった。

本日朝、再度ニュースを確認したが、まだ最終結果が判明していない。午後になって、民主50、共和49まで確定。最後に残ったバージニア州では、わずか7000票余りの差で民主党Jim Webbは勝利宣言したのだが、相手はまだ敗北を認めていない。

州法では、0.5%未満の差の場合、敗者が州の費用で票の再集計を要求できるのだという。ブッシュvsゴアの「フロリダ・リカウント」を思い出す「バージニア・リカウント」が再現するのか。(個人的な感想では、前々回の大統領選挙、フロリダで間違ってパット・ブキャナンに投票された票をカウントするなら、アル・ゴアが勝っていたと思う。まあ、もう言っても詮無いことではあるのだが)共和党が勝つと50-50のイーブンだが、憲法規定により副大統領が上院議長を兼任しており、彼が1票持ってるので、その場合は実質的に上院の支配は共和党になる。民主党が勝って51-49になると、民主党が上院でも多数党になる。ギリギリのところでまだまだモメそうだ。今回も自動投票記録機はあちこちでトラブルを起しているのだと。

2006/11/09 民主党勝利確定

米中間選挙、上院議席で最後まで7000票余りの僅差で開票が終了したVirginia州では、票を数えなおす騒動になるかと思われたが、共和党の現職ジョージ・アレンが敗北を認めて、民主党の勝利が確定。これで上院、下院とも野党の民主党が多数派になるという歴史的大勝。まあ、2年前の大統領選の時に、すでにイラクに大量破壊兵器が無かったことは明らかになっており、泥沼は予想できたこと。厭戦気分が盛り上がるのもいまさらと言う気がする。本来は、前回ブッシュを再選させるべきではなかったのだが。

水星の太陽面通過が日本時間の9日早朝。その時間だとアメリカでも8日の午後だから見えたはず。探すとやはり、ニュースでも報じられていた。

結構頻繁に起こってるものかと思ったが、水星の公転面と地球のそれとは角度差があり、ぴったりと太陽に重なるには周期がある。そして、地球は自転しているから、太陽面通過が起こる時に夜の側のある土地では見ることができない。今度日本で観察できるのは2032年11月だとか。それにしてもずいぶん先だ。

「太陽面通過」と聞いて思い出すのは、A.C.クラークのSF短編、「地球の太陽面通過」だが、これについては、なんだか一度ここに書いた記憶が。と思って検索すると、そうそう、2004/6/11の日記で触れていた。この時は、金星の太陽面通過があったのだ。こちらのほうが水星のよりもずっと稀らしい。

「地球の太陽面通過」は、Wikipediaにも項目が立っている。まだ人間が降り立ったことのない火星から見える地球の太陽面通過。人類がまだ誰もその目で見たことのない天文現象。壮大な宇宙のロマンだな。

この作品が掲載された短編集、「太陽からの風」をAmazonで早速発注。表題作の「太陽からの風」は、太陽風を受けて宇宙空間を動く宇宙ヨットという実に詩的な光景が広がる作品。「大渦巻II」は、エドガー・アラン・ポーの「大渦巻」に対するSF的オマージュ。「メデューサとの出会い」も忘れがたい短編だったなあ。