日経の衛星版を読んでると、「約3万年前まで生息したネアンデルタール人は、約70万6000年前に現代の人類と共通の祖先から分かれ始め、約37万年前に完全に別種となったことが分かった」との報道。 ネアンデルタール人は原生人類の先祖ではなく、昔に枝分かれした親戚筋、そして原生人類との混血も起こっていなかったことがはっきりしたのだという。 ネアンデルタール人の化石から抽出した細胞核DNAの分析によって証明したというのだが、化石からDNAが抽出されたというのも、「ジュラシック・パーク」を思い出す結構凄い話である。クローン技術を使ってネアンデルタール人を現代に蘇らせることも、いつの日か可能になるかもしれない。いや、そんなもの蘇らせてどうするのかと聞かれても困るのだが。クローン再生されたネアンデルタールには人権があるか。ネアンデルタール権があるのかもしれない。<おい。 しかし、ネアンデルタールのDNA解析で、現生人類とのつながりが薄いことが分かりつつあるというのは前にも聞いたことがあったな。というわけで、過去の読書記録を見ると、以前読んだ「ネアンデルタール人の正体」に、完全な結論ではないが、ほぼ似た話が出ていたのであった。 しかし、ネアンデルタール人が原生人類の祖先でないとしたら、猿人と新人の差がずいぶんと開く気がする。いったいどんな要因で急激な人類の進化が起こったのか。まだ見つかっていない、ミッシング・リンクが存在するのか。フレドリック・フォン・デニケンの宇宙人過去飛来説やら、「2001年宇宙の旅」のモノリスやら思い出すような、なかなか興味深い発見である。 そして、ネアンデルタール人が、同属の埋葬の時に、墓に花を捧げたという説については、このまま覆ってほしくないな。生存競争に勝てずに滅んでしまったとはいえ、我々現生人類と元は同根の古い兄弟達。言葉を持ってたかどうかも分からないが、その彼らが死者を悼み、その埋葬の穴を野辺で摘んだ花で一杯にしていたという話は、なんだか信じたい気がするではないか。 |