一昨日の夜はTVで、ブッシュ大統領の、"The State of the Union Address"なんてものを見た。日本語では、米両院議員総会での「大統領一般教書演説」と呼ばれている。
そもそもどんな歴史を持ったものか、事前に、WikipediaでThe State of the Unionのページなど見て勉強。アメリカで教育受けた訳ではないから、アメリカ人なら当たり前のことでも、このへんの常識にはサッパリうとい訳である。 議事堂への入場方法もなかなか独特。大統領の後ろには、上院議長(副大統領)と下院議長(アメリカ史上初めての女性議長である民主党のNancy Pelosi)が座る。 ブッシュ大統領が冒頭、"Tonight I have the high privilege and distinct honor of my own for I get to begin my speech with the words: Madame Speaker!"と、初の女性議長を称える挨拶をすると、議場は全員立ち上がってのスタンディング・オベイションがしばらく鳴り止まなかった。こんなところは、やはりアメリカ人は演出が上手い。 一般教書演説というのは、当面するアメリカの課題について、大統領が大きな施政方針を指し示すものなのだが、例えば民主党議員であっても、その発言に賛同するのであれば、その都度スタンディング・オベイションで賛意を現す。ペロシ下院議長も、大統領の演説の中で何度も立ち上がって拍手を送る。もちろん、イラクへの増派など、賛同できないことに関してはそのまま黙殺。日本の国会では、総理が施政方針演説する時、野党は賛同の拍手どころか野次しか飛ばさないと思うが、このへんが割と違うもんである。 両院議員総会と称されるが、政府閣僚や、軍の幹部も列席している。面白いのはゲスト席があり、大統領夫人が中心に座り、その横にスペシャル・ゲストとしてその時々の話題の人が呼ばれ、大統領のスピーチで紹介されること。 コンゴとアメリカの架け橋、いまやアメリカ市民の元MBAプレイヤーのムトンボ、つい2週間前に地下鉄で人命救助した男性など、次々にスピーチで紹介され、全員のスタンディング・オベイションを受ける。イラク戦争で、瀕死の重傷を受けながらも最後まで戦った兵士として、Tommy Rieman軍曹が紹介を受け、誇らしげに立ち上がると、一際高く、鳴り止まぬ全員からの拍手。ブッシュ大統領の演説でも、イラクへの増派は無視しても、海外でアメリカを守るために戦う兵士達に賛辞を捧げる部分では、ペロシ下院議長も立ち上がって拍手を送っていた。世界最強にして最大の軍事大国アメリカは、栄誉を受けぬ軍隊が自国を守るはずなどないことを、実によく知っている。 |