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1997/05/27 アメリカでバリバリの関西弁で話す人達

2週間ぶりにシカゴのオフィスに出社したので、つまらない書類が結構たまっている。アメリカ人が、時々「もう日本に帰ったのかと思った」 とか、「君は誰だっけ? 今日入社したの?」 などと、くだらない冗談を言ってくる(笑)。メールは勿論向こうでもチェックしていたのだが。やはり事務所に書類は無くならないな。

今日、会社帰りに、ヤオハン隣接の旭屋書店に行くと、近くで話している学生風の男の2人連れは、ばりばり関西弁だ。そう言えば、東京にいた時よりアメリカに来てからのほうが、日本料理店やスーパー等で関西弁を耳にする機会が多いような気がする。考えてみれば、関西本社の会社から、直接アメリカに派遣されて来る駐在員もいるだろうし、関西の学生が、こちらに留学するケースも多いだろうから、このような関西からの直行組(笑)は、英語を勉強する必然こそあるものの、特に関西弁を矯正する必要などないものね。別に標準語で話す必要なんてないと思う。私は関西で生まれ育ち、東京で10年働いてからこっちに来たので、こういう直行組の関西弁を聞くと故郷にかえったようで結構なごむ(笑)。まあ、石川啄木が上野駅に行くようなものか。

以前、うちのアパートの玄関で、ソファーに座って、空港までのタクシーを待っていた時の事。ここは、日本人の駐在員家庭が結構住んでいる。小さな子どもをそれぞれに連れた日本人の母親が、4人ばかりで立ち話をしていたのだが、一番若そうな茶髪のちょっと元ヤンキーがはいったような(あくまでもようなであって、正体は知りないけど(笑))母親が、ばりばりの関西弁だった。

何か午後の予定を決めているらしいが、この一番若い元ヤン(失礼)が関西弁で仕切る、仕切る。

「そんなら、うちが、Aさん迎えに行ってえ、それからBさんトコ行ったらええやん。あっ、ちゃうわ。待って待って。どうせCさんとこから、あれ持ってこなあかんから、Cさんに迎えにきてもらお。な、そないしょ。そないしょ。それでええやん。」

他の母親達は、関西ではないらしい。どちらかと言えば、皆、おとなしそうなタイプで、じゃあそうしましょうか、なんて一応、笑顔で話しているが、表情の奥底には、関西弁で自分より若い奥さんに、命令されているような場の雰囲気が、どうも釈然としない気分となって漂っているのを、私は見逃しませんでしたね(笑)。

この、元ヤン(笑)のフランクな物言いは、(ちょっとフランクすぎるか(笑))関西人には、まあ、大してきつくは聞こえないのだが、関西弁を知らない方には、意味以上にきつく聞こえるかも。私が、大学を出て、東京の会社に就職した時、関西弁を使わないようにしたのは、むしろ、関西弁を使う事によって、それの持つ固定観念で捕らえられる事が嫌だったから。結構、関西弁を毛嫌いするひともいますからなあ。まあ、大抵そういうのは、えてして、純粋な関東人ではなく、田舎から東京に出てきて、しかもそれを隠しているような、複雑なひとに多いような気がするけど(笑)。