なんだか、ひさしぶりに、ゆったり過ごせる週末のような気がする。外出せず、たまっていた本を消化中。私は、結構自炊するほうなのだが、本日は面倒くさいので日本飯屋に夕食をとりに出た。食事前にビールを1本。やはり、日本食にあう飲み物と言うとビールか日本酒。寿司なんかだと、辛口のカリフォルニアの白なんかでもOK。シャンパンもあうかもしれないな。シャンパンと言うと、一度だけ、サンフランから日本に出張する時、ユナイテッドのファーストクラスに乗ったのを思い出した。勿論、会社の規定ではファーストクラス利用は役員のみ。予算さえあれば通常ビジネスクラスだが、ユナイテッドはよくオーバーブック(予約を取りすぎる)をやる。実際にチェック・インすると、ビジネスクラスの定員がオーバーになったらしい。
通常、こう言う時は、一部乗客を、ひとつ上のクラスにアップグレードしてしのぐのだが、誰をアップグレードするかはその乗客の利用度や発券エージェントなどを勘案して、その場で決めるようだ。私はアメリカ国内出張の時はたいていユナイテッドを使用しており、年間だいたい7万マイルくらいは飛ぶので、当日のビジネスクラス乗客の内では上客だったのだろう。チェック・インをして搭乗を待っていると、名前を呼ぶ。再度カウンタに行ってみると、申し訳ないが、席を変更したいと言う。席が3ーA、ファーストクラスになっている。ビジネスの料金でファーストクラスに乗れるのだから、まあ棚ボタってやつですな(笑)
実際のファーストクラスの座席に行ってみると、さすがに広々としている。他に入ってきたアメリカ人達も、物めずらしそうにキョロキョロしているのが多い。皆、棚ボタ組(笑)。大体、往復で60とか70万くらいするらしいから社用族でも役員クラスでないと普通は乗れないよね。早速、担当の客室乗務員(こっちではFlight attendantだが面倒くさいので、以後乗務員と表示。)が、名前を名乗って、挨拶に来て、(ここがビジネスと違う)シャンペンを勧めて回る。ビジネスでもシャンペンサービスはあるのだが、「シャンペンはいかがですか」 と聞かれて、「Yes,Please」 と言うと、銘柄はどちらにいたしましょうか?とくる(ここがビジネスと違う)えっ、2種類もあるの、と驚いたが、とりあえずドンペリを頼む。それしか名前知らないし(笑)
広々とした座席で、ドンペリを飲んで、くつろいでいる間にもう離陸だ。通常飛行に移ると、また乗務員がこんどはキャビアはいかがですかと勧める(ここがビジネスと違う<もういいって!)Yesと答えると、付け合わせは何にしますか、と来た。キャビアの付け合わせなんて知らないよ(笑)。とりあえず、everythingと答えて、全部盛ってもらう。しばらくすると、食前のカクテルはどうかと、聞くので、ジン・アンド・トニックを頼むと、またまた、銘柄は何にするかと聞く(笑)。はい、ビーフイーターでお願いします。
要するに、レストランでもそうだけど、常に選択の幅がある、選べるというのが、こちらでは、高級感がある訳で、こう言う風にやたら聞いてくる。まあ、英語がよくわからなかったり知識がなければ、返事をしなければ黙っていても適当に持ってくるし、実物が見れるものなら指差してもよいのだが、そういうのは、私は嫌なんだなあ。乗務員に、まあ、この日本人英語分からないのね、バカなのね。と影で思われているようで気分が悪い。そこで、限りある身の力試さん、とて、指差しを自分に封じて、質問ぜめに付き合う事にした。
「食事の最初のワインは何を?」
「カリフォルニアのシャドネーで」
「2つございますが?」<まだ2つもあるのかよ(笑)
「ナパのがあれば」
「かしこまりました」
「ブレッドはどれになさいますか」
「サンフランシスコ・サワー・ドゥーをお願いします」
「サラダのドレッシングはどれに」
「じゃあ、ブルー・チーズで」
「メインの前にワインを赤におかえになりますか」
「えー、フレンチで、えーっとボルドーがあれば」
「かしこまりました」<おっこれはひとつだけだ(笑)
<以下延々と続く>しかし、疲れた。メインのひとつの、ロースト・ポークなんてワゴンで固まりを運んできて、ブランデーを振り掛けて機内で炎を上げてフランベするんだから度肝を抜かれる。飛行機の中でこんなことやってたとは。やっぱり、飛行機にも乗りなれた格みたいなものがあって、私だとビジネスクラスがせいぜいだな。ファーストクラスは逆に気疲れする。ろくに何も聞かずに、食事をどーんと置いてゆくエコノミーがちょっと懐かしくなったりして。あれはあれで楽だ。
そう言えば、袈裟を着た日本人の坊さんがひとり乗っていて、全然英語はしゃべれないようなのだが結構堂々たるもの。このフライトは、全員アメリカ人の乗務員だったけれど、何かこの坊さんは結構丁重に扱われていたような気がする。う〜ん。やっぱり人間の格ってやつかな。