MADE IN JAPAN! 過去ログ

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1997/06/13 金曜日は昼間からワインを飲んで
今日は曇天だが、結構、蒸し暑い。夕方からは涼しくなるなんてラジオでは言っているが。カジュアルデーでネクタイなしだから、まあ外に出ても助かる。そろそろ昼飯なので自分の部屋を出ると、プロジェクトに雇っている会計士事務所のコンサルタント部門のパートナーが久しぶり事務所に来ている。昼飯を一緒に行かないかと言う。

彼と二人で、近くのシーフードレストランに出かけた。アイスティーを頼んだが、彼はワインを頼んで、今日は金曜だよ、なんて笑う。「急に気が変わった」と告げると、ウエイターも、そうでしょうと笑う。Thank God,It's Friday! シャルドネのドライを注文。クラム・チャウダーとハワイアン・アヒ(いわゆるマグロかな)を頼んで色々と話をした。彼は、シカゴ出身で、いわゆるBIG6と呼ばれる巨大会計士事務所のひとつの、コンサルティング部門のパートナーだが、MBAもCPAも持っていて、コンピュータに非常に明るい。知的で人当たりもよく、話していて楽しい人間だ。彼がいなければ今度のプロジェクトはできなかっただろう。

うちのプロジェクトはもう終盤だが、彼は次の新規プロジェクト立ち上げの為、週のうち4日はシカゴの家族を離れて、NJでホテル暮らしだそうだ。こっちのコンサルタントや会計士は、出張や遠く離れた場所での長期の仕事が多く、大変な激務。社内での競争も激しく、ずっと努力し続けなければどんどん取り残されてゆく。

10年の内に同期入社が10分の1くらいになるらしい。もちろん給料もその分上がっていくが、パートナー(パートナーシップと言うアメリカ独特の企業形態の共同出資者)になった時には、年収がさらにドカンと増えるらしいから、努力の見返りは大きい。しかし、大部分はそれ以上の出世の見込みが無くなった段階でどんどん転職して行く。出張が多すぎる為、家庭の事を考えて一般の企業に転職する例も多いようだ。

今回の、うちの会社のプロジェクトにはここから14名ばかりのコンサルタントが派遣されているが、出身国で言うと、アメリカ以外に、ドイツ、フランス、カナダ、インド、中国と国際的。専門知識や技能を持っていれば会計士事務所はビザ取得や永住権申請のスポンサーになってくれる為、結構、外国出身者も多い。うちのメンバーには、アメリカ人以外に、日本人とフィリピン人が含まれているから全部で都合8ヶ国。ちょっとした国際プロジェクトだ。いかにも、人種のサラダボウル、アメリカ。

ドイツからきたコンサルタントは、誰に聞いたのか日本語を少しだけ覚えた。なにか聞くと「モンダイナ〜イ」と返事がくる。しかし、かえって怪しげな日本語を使われると、本当に問題ないのかどうか疑わしくなってくるなあ(笑)。

コンサルタントの方は、あまり日本人はいないようだが監査を行う会計士の方は結構日本人がいる。日本から留学で来て、MBA・CPAを取得して、こちらの会計士事務所に就職している人達だ。日系企業の、経理・財務責任者は、依然として日本人が多いし、日本人の会計士に対するニーズも大きい。そんな訳で結構どこの会計士事務所でも日系企業担当部門なんていうのがあって、日本人を定期的に採用しているようだ。

以前、うちに監査に来ていた日本人の会計士は、企業留学でこちらでMBAを取った人だったが、日本に帰りすぐ会社を辞めてこっちの会計士事務所に就職したらしい。

うちの会社にも、海外研修制度なんて言うのがあって、アメリカに来て、米国会計士資格を取ったのが1名、弁護士資格を取ったのが1名。ところが、どちらも日本に帰ってしばらくして会社を辞めてしまった為、2名の当時の上司は、会社幹部になぜ辞めさせたかと叱責されたらしい。

しかし、なぜ辞めたかって、資格取っても給料も変わらないし、昇格があるではなし、日本に帰ったら以前と同じ仕事をせい、では転職したくもなるよなあ。確かに。企業留学をさせる会社のなかには、各種資格取得を禁止しているところもあるようだ。うちの会社は、最近では上司が怖がって、部下を海外研修に推薦しなくなったような傾向がある。留学の後で会社を辞められると自分の責任になるから。そんな訳で、なんの資格もない日本人だけが、駐在員として残っております。

まあ、そんな事を、色々話しながらワインを2杯も飲んだので、結構いい調子になって帰ってきた。午後の仕事はやめ<おいおい。まあ、そんな訳もないが、日本はもう土曜日だし、連絡がないので、金曜日はどちらかと言えば平穏な日。今日はブルズの試合があるので、これをアップしたらTV観戦。いやー、ようやく一週間が終わった。