MADE IN JAPAN! 過去ログ

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1997/07/10 ケーブル・ガイがやってきた。

昨日は、日本から本社の課長が出張で来ていたので、シアーズ・タワー67階にある、メトロポリタン・クラブで会食。本当は、そんなところに連れてゆく大物ではないのだけれど、うちの上司の同期なのでまあ特別。海外出張も、アメリカに来たのも初めてらしい。

メニューを見てもよく分からんと言うので、とりあえず、アントレーをひとつずつ解説したが、結局、そっちで決めてよなんて言う。せっかく説明しても、こう言われると、ガックリなんだよな。しかたないので、アメリカのレストランでは定番のSurf & Turfをお勧め。 直訳すれば、波と芝生って事だが、ステーキとロブスターの盛り合わせ。

私は、レストランの推奨メニューになっている、子羊(Lamb)の香草焼きに決定。ラムって言うのは、時として独特の臭みがあるものだが、これは全然癖を感じさせない。ちょっと驚いた。ただ、Stag's Leapの カベルネ・サルビヨンは、渋味は十分あるものの、なんだか酸味と深みに欠けて平凡だった。今日になって、AOLのWine baseで調べてみると、飲み頃はもう少し先、なんて書いてる。なるほどねえ。


「ぷろくら日記」で、ケーブルTVの事が取り上げられていたので、私のアパートにケーブルの接続に来た奴の事を思い出した。ジム・キャリーが主演した映画、「ケーブル・ガイ」、は、このケーブルTVの接続の仕事をしている、イカレた男の話。西海岸から、こっちに引っ越して来たとき、ケーブルTV会社に電話すると、数日して、そのケーブル・ガイがやってきた。

まだ、20そこそこの陽気な若者で、のべつまくなしにしゃべっている。高校中退だけど、金がたまったら大学へ行くんだと言う。まあ、頑張ってよ。うちはアパートメントの一室だから、棟まで来ている本線へ、部屋へ伸びるケーブルを接続する必要がある。管理事務所に聞いて、接続盤の場所に案内すると、(なにしろ一棟、百軒以上あるから)部屋番号が記されたタグの付いたケーブルが、手をつけられないほど複雑に入り組んでいる。

ざっと見たところ、うちの部屋番号はない。どうも下に埋もれているようだ。どうするのかと見ていると、彼は、無造作に、すでに接続済みの他の部屋のプラグをどんどん抜いてゆく。おいおいと思ったが、10本以上抜いたところで、ようやく、埋もれていた、うちの部屋の接続ピンが見つかった。それをどこかのソケットに差し込んだ後、おざなりに抜いた何本かのプラグを再接続。しかし、どう見ても、接続しなおした数のほうが少なかった(笑)。ケーブル・ガイのモラルは低いですなあ。

部屋に帰って、画像が写るのを確認して、私の契約が、Expand Basic+HBOのみだと知ると、20ドルくれたら、SHOWTIMEが写るようにしてやるけど、どうだ、と言う。SHOWTIMEは、HBOと同様のムービーチャネルだが、プレミアで契約すると毎月9ドルちょっと取られるから、2ヶ月で元がとれるぜ、との事。俺が接続した所は、皆そうしてるよ、会社はどうせ儲かってるんだし、誰も困らない、人助けさ、なんて言うもので、まあ、やらせてみる事にした。

接続ボードに戻ってなにやらゴソゴソして、その後、部屋の電話で、サービスセンターに電話していたが、さっぱり写るようにならない。「OK. No SHOWTIME, No deal.」(写らないから、取り引きは無しだよ)と言うと、根が単純な奴で、先週まではうまくいったのにと、しょげている。ケーブルTV会社だって、ケーブル・ガイにあまり勝手な事をされては商売あがったりだから、なにか防止策を取っているんだな。きっと。

そんな訳で、彼が帰った後、忘れていたが、数ヶ月後に、番組表を見ながらザッピングをしていると、なんとSHOWTIMEが写っている。それから1年経った今でも、あいかわらずSHOWTIMEは写ったままだが、請求は全然来ていない。でも、あの時は確かに写らなかったけどなあ。要は、なにか、むこうのミスなんだろう。でも、こんな事なら、彼に20ドルやっとけばよかった。はは。