MADE IN JAPAN! 過去ログ

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1997/08/04 アメリカの「放番協」認定ビデオ

月曜の朝は大抵やる気がでない。だいたい会社に入って以来、さあやるぞ、とばかりおお張り切りで出勤した月曜日なんて記憶にない。特に最近、色々と仕事上で問題山積なので余計に元気なし。しかし、今日の午前中は、上司が一緒に出席する重要な会議があるのだった。

日本人は彼と私のみ。上司は強心臓の男なので、いつもの独特の英語で色々しゃべるのだが、大体において、動詞をほとんど省いて、名詞と形容詞と動名詞を羅列しているだけなので、西部劇に出てくるインディアン並みの英語と言わざるを得ない(笑)。白人、うそつ〜く。インディアン、うそつかな〜い。<まあ、こんなもん。

で、彼がしゃべり終えると、案の定理解できなかったアメリカ人はなぜかみんな私の顔を見る。しかし、いくら同じ日本人だからと言って、判断材料は、たった今、彼がしゃべった英語というか、単語の組み合わせしかないんだから、私にも理解できるはずがないのであった。で、日本語でボソボソ確認して、こういう事だと英語で先方に説明する。先方がそれを受けてしゃべりだすが、しばらくすると、また上司がなにか口を挟む。また、分からない。なんか不満らしいと言う雰囲気だけ分かる。また日本語で確認して、むこうに英語で説明。実に効率悪い事おびただしい会議。

午後になって、オフィスから外を見ると、急に暗雲がでてきて、雷が鳴り、雨が降り出す。なんか妙な天気。もともとシカゴの夏は日本並みに暑いのだが、今年の夏はあんまり暑くないような気がする。あるいは、2度目のシカゴでの夏に体が適応したのかな。

会社帰りに、ヤオハン脇の日本ビデオ屋で、ビデオを借りる。もう新作にはすべて、「放番協」認定ビデオとシールが張ってある。何の略か知らないが、この「放番協」ってのが、海外で日本TVを見る人から番組の著作権料を徴収する機関らしい。このシールが貼ってないと違法ビデオと言う事で、シールを1枚いくらかで売りつけ、最終的にはビデオのレンタル料に反映され、アメリカでビデオを借りる人の負担になるというわけ。

しかし、考えてみると、日本で見たらタダのTV番組を海外で貸しビデオで見たら金を払わなければ駄目、というのもなんだか理不尽だ。視聴率調査に海外のビデオ貸し出し件数を反映させ、(どうせ国内の視聴率もサンプリングでやってるので、海外ビデオも何件かのサンプリングで十分だろう)スポンサーから、海外でCMを見られてる分を徴収するのが筋ではないだろうか。

ヤオハンなどの日系スーパーがある、SF・LA・NY・シカゴ等では、かなりの部分のCMが、日本同様の拡販効果があるはずで、CMは見せられるわ、金は取られる、ではまことに割に合わない。けしからん、なんて事を考えていたが、この「放番協」認定ビデオ、よく見ると、すべてのCMをカットしてある。と言う訳で、せっかくぶった番組スポンサーに請求しろ論はハナから成り立たないのであった。やっぱり知恵者がいるんだなあ、金を取るところには。